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トップメッセージ

エディタV2
代表執行役社長 CEO 遠藤 俊英
株主や幅広い
ステークホルダーの皆さまに
真に評価していただけるよう、
強い覚悟をもって、
企業価値の創造に取組みます
代表執行役 社長 CEO
遠藤 俊英

新しい企業理念

ソニーフィナンシャルグループ株式会社(SFGI)は、2025年9月29日に東京証券取引所プライム市場に上場予定です。さらなる成長を目指すソニーフィナンシャルグループ(ソニーFG)にとって、ソニーグループ株式会社によるパーシャル・スピンオフとそれにともなう上場は千載一遇のチャンスであり、“第二の創業” とも言うべき重要な時期を迎えていると認識しています。

ソニーFGでは、“第二の創業” の旗印とすべく新たな企業理念体系を策定し、ビジョンを「感動できる人生を、いっしょに。」としました。ソニーグループの重要なキーワード「感動」を引き継ぐとともに、「人を支える」事業を担う金融機関として、お客さまの“自分らしい人生” に伴走し続けていくという想いが込められています。ソニーFGでは、生きる土台である“健康寿命” と、経済的な健全性である“資産寿命” に加えて、「自分らしく生きる」ことを“感動寿命”と定義しています。お客さまの3つの寿命に寄り添い、人生における楽しさと不安の両面を支える存在であり続けることで、持続的な企業価値の向上につなげていきます。

 

PEANUTSの画像

© 2025 Peanuts Worldwide LLC
www.snoopy.co.jp

また、2025年7月より、ソニーFG共通のキャラクターIPとしてスヌーピーでおなじみの「PEANUTS」を導入・活用していきます。ソニーFGの新ビジョンと何気ない日常の幸せを表現するPEANUTSの世界観・ストーリーには親和性があると考えており、今後は「PEANUTS」キャラクターを活用し、新ビジョンの浸透とグループ一体でのブランディングを強化していく予定です。 

また、2025年7月より、ソニーFG共通のキャラクターIPとしてスヌーピーでおなじみの「PEANUTS」を導入・活用していきます。ソニーFGの新ビジョンと何気ない日常の幸せを表現するPEANUTSの世界観・ストーリーには親和性があると考えており、今後は「PEANUTS」キャラクターを活用し、新ビジョンの浸透とグループ一体でのブランディングを強化していく予定です。 

PEANUTSの画像

© 2025 Peanuts Worldwide LLC
www.snoopy.co.jp

サステナビリティ

中期経営計画の進捗:“第二の創業”にふさわしい姿の実現に向けて

2024年度を始期とする3ヵ年の中期経営計画(以下「中計」)は2年目を迎えました。現中計の戦略は、ソニーFGが2030年度において目指す姿からバックキャストし、「両利きの経営」における「深化」と「探索」に基づいて策定しています。

中期経営計画の進捗

 

現中計の1年目である2024年度は財務体質の改善に取組む一方、各社とも既存事業での「深化」を進め足元の業績で着実に結果を出しました。またグループでの成長を視野に入れた「探索」においては、成長戦略の核と位置づける「顧客基盤の拡大」に向けての取組みを進めました。新たに着手した施策の一例として、2024年11月には、法人・富裕層のお客さまへのさらなる価値提供を目的に、SFGIと医療情報提供サイトを運営するエムスリー(株)との業務提携を開始しました。まずはソニーライフ・コミュニケーションズが展開する保険製作所から、主に法人のお客さま向けに健康経営支援サービスの提供を行っていき、徐々にグループ全体に展開していくことを想定しています。また同年12月には、InsurTechの代表的な1社として少額短期保険を手掛ける(株)justInCaseをSFGIの完全子会社としました。子会社化により短期間で少額短期保険ビジネスへの参入を図り、それを足掛かりに、商品開発の自由度を高め、新たなお客さま層との接点を構築していきます。こうした取組みを通じた新たな商品・金融サービスの提供により、ソニーFGの顧客基盤拡大を目指します。

現中計の折り返し点となる上場日以降は、安定的なキャッシュフローの創出と積極的な株主還元を行っていきます。現中計の最終年度である2026年度の目標として、IFRSベースで、連結修正純利益は1,250億円、連結修正ROEは10%以上の達成を目指しています。ソニー生命のポートフォリオの再構築と安定的な利益を創出し続ける経営体制を構築し、“第二の創業” にふさわしい姿を実現していきます。

中期経営計画の経営数値目標

ソニーFGが目指す2030年度の姿

2030年度を見据えては、ソニー生命における利益成長を軸として、既存事業全体でのIFRSベースの連結修正純利益を1,700億円以上とすることを目指しています。

ソニーFGのさらなる成長にとって不可欠なソニーグループとの連携強化は、ブランドとテクノロジーの二つが軸となります。ブランドに関しては、パーシャル・スピンオフ以降もソニーブランドの継続使用が可能であり、またソニーグループが持つIPやエンタテインメントを活用し、ブランディング強化を進めます。テクノロジーに関しては、ソニーグループの強みである技術の活用により、お客さまへの提供価値の向上を目指します。そのうえで2030年度を見据えて、既存事業に加え、グループ一体での新たな価値提供やM&Aを含む成長投資の加速、新規領域への進出等により、さらなる成長を目指します。

ソニーFGの強み

ソニーFGの強みは以下の4点と考えています。

1.「 ソニーの創業精神を受け継ぐ、価値創造型の金融グループ」

ソニーFGは従来の業界慣習にとらわれず、顧客を第一とした独自のビジネスモデルで成長してきました。ソニーFGのこうしたカルチャーの原点は「ひとのやらないことに挑戦し、社会に貢献する」というソニー創業者 盛田昭夫氏の想いにあります。グループのコアであるソニー生命は、創業以来、商品本位の販売ではなくコンサルティングに基づくカスタムメイドな保険商品の提供により、お客さまに新たな価値を提供し、業界に新風を巻き起こしてきました。ソニー損保では国内初のインターネットチャネルを通じたダイナミックプライシングの導入、ソニー銀行では各諸手続きにおけるペーパレス化推進など、それぞれの事業で独自のビジネスモデルを築き、新たな価値を創造してきました。

現在、ソニーFGの中核事業であるソニー生命は、高い生産性を誇るライフプランナーチャネルと代理店チャネルを持ち、ファミリー層と小規模法人を中心とした強固な顧客基盤を有しています。また、ソニー損保は高いブランド認知度と顧客満足度をもとにダイレクト自動車保険でNo.1のシェアを誇り、ソニー銀行はインターネット銀行として、安定成長を続ける住宅ローン事業と利便性の高い外貨預金事業を展開しています。

* 2025年3月末時点。各社公表の本邦ダイレクト自動車保険における元受正味保険料より算出

生命保険事業損害保険事業銀行事業

 

今後のソニーFGのグループ戦略の方向性としては、これまで各事業がそれぞれに発揮してきたコアコンピタンス・機能を、付加価値の伸びがグループ内で最も大きいソニー生命へ実質的に融合し、ソニー生命をコアとしたグループ一体での価値提供を目指していきます。具体的には、ソニー損保が持つ圧倒的な認知度や集客力、ソニー銀行が持つ資金循環基盤など各事業のコアコンピタンスを、事業の垣根を越えてグループ内で活かしていきます。いわば、グループ一体で強固なスクラムを組むことで、グループ横断的な商品・サービスを展開し、新しい金融サービスの創出にチャレンジしていきます。

ソニーFGのグループ戦略の方向性

 

2.「 本邦トップクラスの競争力を有する販売チャネルを中核とするソニー生命がバリュードライバー」

ソニー生命は国内の生命保険業界内で高い成長を誇り、業容もシェアも継続的に拡大しています。その成長ドライバーとなっているのが、ライフプランナーと代理店の両販売チャネルです。ライフプランナーの高い競争優位性は、グループとしての競争力のコアであり、成長の源泉です。この競争優位性は、当社の「厳選採用」、「コンサルティングセールス」、「フルコミッション制度」に支えられています。近年では、個人のお客さまに向けたライフプラン分析システム「GLiP」や法人のお客さまに向けた企業のコンサルティングシステム「Biz-Plan WEB」などの先進的なシステムを活用し、さらなる価値を提供しています。質の高いサービスの提供により、ライフプランナー1名あたりの生産性(一人当たりの新契約年換算保険料)は業界平均*1の約5倍*2を誇ります。代理店サポーター(ソニー生命の代理店向け営業職)は、顧客との接点である保険募集人に対する販売支援のみならず、代理店経営も幅広くサポートしています。結果として、代理店サポーター1名あたりのIFRS新契約価値は、5年で3倍近くに伸長しています。

国内人口が減少している中で、ソニー生命が顧客を増やしていく鍵は、①国内トップクラスの競争力を有する営業チャネルの活用、②近年伸長著しい法人顧客を起点とした顧客層の拡大、③ソニー損保、ソニー銀行、ソニー・ライフケアとの連携にあります。具体的には、法人顧客としてタッチポイントを確立した経営者・オーナーから、一族資産継承やプレシニア・シニア向けサービスや従業員向けサービス、そこからさらにファミリー層向けサービスへと、連続的な価値提供を行っていきます。また、ソニー生命のライフプランナーでは接点を持つことが困難なZ世代・若年層にはソニー銀行・ソニー損保のコアコンピタンスを活用し、タッチポイントの確保に努めます。このように、全世代・全チャネルの顧客を有機的に結びつけ、価値提供を通じて、ソニー生命を中心としたソニーFGのさらなる成長に努めてまいります。

*1 国内大手生命保険会社4社である日本生命保険相互会社、住友生命保険相互会社、明治安田生命保険相互会社、第一生命保険株式会社の各社公表の単体の数値(営業職員チャネル以外も含む全社業績)の平均

*2 2024年度第3四半期累計を年率換算

 

3.「 保険リスクを中心としたリスクプロファイルとERM(統合的リスク管理)戦略」

ソニーFG連結の経済価値ベースのリスク量の大部分を占めるソニー生命のリスクプロファイルは、継続して保険リスクが中心です。ソニー生命のリスクは、他の上場生命保険会社の平均と比較して、相対的に保険リスクの割合が大きく、市場リスクの比率は小さくなっています。また、市場リスクには株式等のリスクはほぼ含まれておらず、大部分は金利リスクです。資産運用に関しては、健全性の適正水準維持のため、引き続きALM(資産・負債の総合管理)を推進するとともに、リスク分散や超過収益獲得を企図した運用の多様化を図っていきます。

これまでも、顧客ニーズに応えつつALM上の課題に対処すべく、商品開発、営業、資産運用と多面的な対応を実施してきました。今後は、年限ゾーンごとに資産と負債の将来キャッシュフローを一致させるためのキャッシュフローマッチングを推進していきます。具体的には、超長期の負債キャッシュフローの抑制、40年以内の保険負債の積み上げ、資産サイドからのアプローチなどを通じ、ALMのさらなる高度化に取組んでいきます。

ソニーFGのグループ連結ESR(経済価値ベースのリスク量に対する経済価値資本の比率)は、さまざまな財務基盤強化施策を打つことにより、金利が上昇する中でも、継続的に目標水準の範囲内で推移しています。今後も、ソニー生命において新契約の獲得により経済価値資本を積み上げるとともに、債券売却やデリバティブの活用、再保険の活用などによるリスク削減の取組みを通じて、ESR水準を底上げし、金利変動時でもESRが目標水準を維持できるよう財務健全性の強化に取組んでいきます。

ソニーFG ERM・ESR

 

4.「 安定的な株主還元」

2024年度に取組んだ施策によって財務の健全性が一定程度強化されたことにともない、ソニーFGのグループ連結ESRの目標水準のレンジを変更し、上限を235%から215%へ引き下げました。上場後の株主還元の基本方針としては、IFRS修正純利益の40~50%を配当に充当します。1株当たり年間配当額の減額は原則行わずに、安定的な配当の成長を目指します。なお、上場初年度にあたる2025年度の期末配当総額は半期分として250億円を予定しており、これは年換算では500億円に相当します。また自己株式取得は、当社株式の需給状況に対する影響の緩和や資本効率の向上を目的として、上場後から2027年3月末までの1年半の間に1,000億円を目途に実行する計画です

* 市場環境又は法令、取引所規則等により、上記の自己株式取得の一部又は全部が行われない可能性もあります

上場に向けて

遠藤 俊英の写真

上場は私たちソニーFGにとって、とても大きなチャレンジです。ソニーグループの一員でありながらも上場企業として独り立ちし、ソニーFGならではの魅力を高めていかなければなりません。

私は、成長する企業であり続けることでお客さまにより一層安心していただくことが、究極の「顧客本位」であり、上場する目的であると考えます。ソニーFGが、株主の皆さまはじめ幅広いステークホルダーに真にご評価いただけるような金融サービス企業になれるよう、全力で取組んでまいります。

皆さまの引き続きのご支援を心よりお願い申し上げます。