【参】マーケット情報:カテゴリ
マーケット情報Market Report
ページタイトル
Daily Market Report(日次)
お知らせ:表示

ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2026年06月10日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

米・イランの交渉に暗雲

為替

9日のドル円は上昇。トランプ米大統領がSNSにおいて、「イランは昨夜、我々のヘリコプターを1機撃墜した」「米国はこの攻撃に対し、やむを得ず対応しなければならない」と投稿したことで、米・イランの再衝突懸念から「有事のドル買い」が強まると、160円40銭台まで一時上昇した。本日早朝、米国がイランに対して自衛攻撃開始と報じられている。トランプ大統領は昨日のSNS発信前に「非常に良い合意に向けた交渉が大詰めを迎えており、1-2日後には少なくとも見通しを得られる可能性がある」と述べていたばかり。この衝突が小規模で済めば、ドル円相場は介入警戒感もある中で足元の水準での推移を継続すると見る。しかし、仮に終戦交渉の後退と戦争長期化懸念が強まれば、「有事のドル買い」によるドル急騰もあり得るだろう。ただしその場合は本邦政府・日銀による円買い介入により、ドル円が乱高下することも想定される。続報には要注意。また、本日は米国の5月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、これが市場予想を上ブレするようならば、さらに米国の年内利上げ開始観測が強まり、ドル高圧力となるだろう。(石川)

本日の予想レンジ: 159.90‐161.00円

株式

9日の日本株式市場は、日経平均株価が4営業日ぶりに反発し65,416.63円(+2.17%)で引けた。8日の米国市場でハイテク株が反発したことに加え、前日の大幅安を受けた自律反発狙いの買いが相場を支えた。セクター別には指数寄与度の高い半導体株が大きく買われたほか、日銀の利上げが決定的となったとの報道を受けて、銀行・保険株が堅調だった。9日の米国市場は、ダウ工業株30種が上昇、ナスダック総合指数とS&P500種は反落して引けた。8日に伝わったイスラエルとイランの停戦を受けて投資家心理は改善に向かっていたが、ホルムズ海峡での米軍ヘリ撃墜とトランプ大統領の報復意向が伝わると市場は軟調になり、ハイテク株を中心に値を下げた。今週は5月の消費者物価指数発表や超大型の新規株式公開を控え、投資家が手元の持ち高を調整する動きもあるとみられる。10日の日本市場は、反落で始まる見込み。ホルムズ海峡の緊張が再び高まっており、指数寄与度の高い半導体銘柄を中心に売りが先行するだろう。(鈴木)

債券

9日の米国債券市場では、国債利回りが低下した。原油価格の下落が相場を支えたほか、10日に発表される5月の米消費者物価指数(CPI)を前にショートカバーの買いも入り、米国債は全年限で上昇した。WTI先物は一時約5%下落し約1カ月ぶりの安値を付けたことで、インフレ高止まり懸念がやや和らいだ。一方で、トランプ米大統領がイランによる米軍ヘリ撃墜への報復を示唆したことで、原油価格と利回りが下げ幅を縮小する場面もあったが、債券市場への影響は限定的だった。市場では、5月のCPIについて前年比では総合、コアとも加速が予想される一方、前月比では伸び鈍化が見込まれており、インフレ圧力の強さを見極めようとする動きが続いている。3年債入札の需要がやや弱めだったものの、応札倍率は高水準を維持し、市場では長期債需要の持続性にも関心が集まっている。原油価格が4月の高値から下落してきたことで、インフレ高進への警戒は一部和らいでいるが、依然として年内利上げ観測は根強く、利上げリスクに見合う水準まで国債利回りがさらに上昇する必要があるとの見方も出ている。本日の日本債券市場(6月10日)は、やや売り優勢の展開が見込まれている。前日の米国債高は一定の支援材料となる一方、日本時間早朝には米国がイランに対する自衛攻撃を実施したと伝わり、中東情勢の緊張緩和期待が一部後退していることが重しとなりそうだ。国内では、前日に日銀の国債買い入れ減額停止観測を背景に長期・超長期債中心に金利が大きく低下したが、こうした動きは需給要因の色合いが強く、インフレ懸念やビハインド・ザ・カーブ懸念が残る中で持続性には慎重な見方もある。実際、夜間取引では長国先物の上値が重く、前日の反動も意識されている。本日は5月の企業物価指数と30年国債入札が注目される。企業物価については、原油高を背景に石油・石炭製品や化学製品を中心とした価格上昇が続いているとみられ、企業段階でのコスト上昇が改めて意識される可能性がある。30年国債入札については、足元の利回り水準の高さから生損保や海外投資家の需要が見込まれる一方、インフレ懸念や財政拡張懸念がくすぶる中で投資家の応札姿勢は慎重になりやすい。前回入札では複利3.8%近辺でも弱めの結果となっており、今回も無難からやや低調な結果が想定されている。中東情勢や国内外の金融政策への警戒感が続く中、相場は買い戻しを交えながらも、全体として上値の重い地合いとなりそうだ。(宮嶋)