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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2026年05月12日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

米財務長官と本邦政府の対話の行方

為替

11日のドル円は小幅にドル高・円安となった。週末、米国が提案した終戦に向けた覚書に対するイランの回答について、トランプ大統領が「全く気に入らない」とコメントしたことを受けて、早朝にややドル買い優勢となった。ただ、その後は追加的な情報はなく、ベッセント米財務長官の来日を控えての思惑などもあり、157円30銭付近では上値の重さが見られた。本日、ベッセント米財務長官が高市首相や片山財務相など要人と会談予定だ。イラン情勢、外国為替相場、レアアース供給網強化などについて話し合われる公算。関連報道は波乱要因となるだろう。また、本日は米国の4月消費者物価指数(CPI)の発表も予定されている。ただし、年内の米金融政策に対する変更期待が大きく後退している中では、反応はある程度限定されると見る。この他、インドとブラジルでも消費者物価指数、豪州では4月NAB企業景況感指数、ドイツおよびユーロ圏では5月ZEW景況感指数など、他の国々でも重要指標が発表される予定。(石川)

本日の予想レンジ: 156.40‐157.80円

株式

11日の米国株式市場は小幅に続伸した。人工知能(AI)を巡る楽観的な見方が引き続き相場を支え、主要3指数はいずれも上昇し、S&P500種株価指数とナスダック総合指数は連日で終値の最高値を更新した。半導体セクターが市場をけん引し、フィラデルフィア半導体株指数は2%超上昇した。AI関連投資の拡大に衰えは見られず、半導体や通信インフラ関連への追随買いが続いている。ただ、決算シーズンが終盤に差し掛かる中で、業績を材料とした上昇の勢いにはやや鈍さも出てきている。一方、米国とイランの協議が停滞しているとの認識が市場で強まり、原油価格は上昇した。停戦合意が不安定な状態にあると受け止められ、ホルムズ海峡を巡る供給不安がインフレ懸念を再び意識させている。セクター別ではエネルギーが上昇率トップとなった一方、通信サービスは下落した。個別では、半導体関連が総じて堅調で、過去最高値を更新する銘柄もみられた。反面、原油高による燃料費増加が懸念され、航空会社の一角は下落した。市場では今週発表される消費者物価指数や小売売上高などの経済指標に注目が集まり、インフレ動向と金融政策の先行きを見極めようとする姿勢が強まっている。本日の日本株式市場(5月12日)は反発が見込まれている。前日の米国市場で半導体関連株が堅調だった流れを引き継ぎ、東京市場でもAI・半導体関連が指数を押し上げるとみられる。もっとも、高市首相と来日中の米財務長官との会談を控えており、為替や外交面での不確実性を意識した様子見姿勢も出やすい。足元では中東情勢の行方がはっきりしないことから、高値を積極的に追う展開になりにくいとの見方がある。為替は不安定な動きが想定され、円高方向に振れた場合には輸出関連株の上値を抑える可能性がある。一方、国内では決算発表が相次いでおり、業績見通しの上方修正を示した企業には選別的な買いが入りそうだ。全体としては、米株高を背景に底堅さを保ちつつも、重要イベントを前に神経質な値動きが続くとみられる。(宮嶋)

債券

11日の米国債券市場では国債利回りが上昇した。米国とイランが戦争終結の条件で合意に至らず、ホルムズ海峡の早期再開への期待が後退したことで原油価格が上昇し、インフレ懸念が強まった。原油は一時1バレル=99ドル台後半まで上昇する場面もあり、エネルギー供給の混乱長期化が警戒された。こうした状況を受け、米国債は全ての年限で売られ、2年債、10年債、30年債の利回りはいずれも上昇した。金融政策面では、イラン戦争の影響によるインフレ圧力を背景に、年内利下げ観測が後退している。加えて、この日に実施された3年債入札の需要指標が弱かったことや、社債の新規発行が相次いだことも、国債相場の重しとなった。市場では今後発表される消費者物価指数や卸売物価指数が、インフレ高進を裏付ける内容になるかどうかに注目が集まっている。本日の日本債券市場(5月12日)は下落が見込まれている。米長期金利の上昇を引き継ぐ形で売りが先行しやすく、原油高を背景としたインフレ懸念も重しとなる。為替市場では、来日中の米財務長官の発言次第で円が買われる可能性がある一方、イラン情勢の不透明感はドルの下支え材料となっている。国内では、日本銀行が公表する金融政策決定会合の「主な意見」が注目されており、利上げに前向きな姿勢が示されれば、金利上昇圧力が強まる可能性がある。また、この日は10年国債入札が予定されており、利回り水準が節目を上回っていることから一定の需要は見込まれるものの、原油価格動向次第では不安定な値動きとなりやすい。全体としては、外部環境への警戒感が強く、神経質な展開が続くとみられる。(宮嶋)