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障がいのある人が、仕事を通じて社会人としての「自立」「自律」を
~ソニー生命ビジネスパートナーズ

2020年03月31日

生命

ソニー生命は2019年3月、ソニーグループとしては3社目となる特例子会社(*)「ソニー生命ビジネスパートナーズ」を設立しました。精神・知的障がいのある人たちがいきいきと働く「場」として、ソニー生命からさまざまな事務代行業務等を請け負っています。

空、土、草が含まれる画像
ソニー生命ビジネスパートナーズ 公式サイト トップイメージ

今回は、社員の指導、教育、業務管理などを行う指導員と、指導員のもとで働く二人の社員に話を聞きました。

(*)特例子会社とは…「障害者の雇用の促進等に関する法律」第44条の規定により、一定の要件を満たしたうえで厚生労働大臣の認可を受けた、障がい者の雇用に特別な配慮をした子会社。

業務依頼元の役に立っている「実感」が、社員すべてのモチベーションとなっています

岐部氏写真

ソニー生命ビジネスパートナーズ株式会社
業務部(指導員)
岐部 史登

Q まずは指導員としての業務内容を簡単に教えてください。

A 指導員は、業務遂行、社員の育成、社員の業務評価の3点について責任を負っています。「業務遂行」についてはまず、業務管理の担当者がソニー生命から請け負う事務代行について、依頼部署と業務の質や量、納期の調整を行います。そして指導員が、社員の得意・不得意も考慮しながら、着実に納期に間に合うよう分担を決め、それぞれの業務の進捗管理を行っています。

Q 会社の立ち上げの際は、前例もなく大変だったのではないですか?

A 実は前身として、ソニー生命 人材開発部ダイバーシティ推進室内に「オフィスサポートチーム」を発足させました。そこに13人が所属して業務を始め、このチームのメンバーと会社を立ち上げました。会社の設立にあたっては、子会社とはいえ、部署対部署だったものから会社対会社になるわけですから、契約関連や個人情報の取り扱いルールなど、越えなければいけないハードルはいくつもありました。

Q 会社立ち上げ時から意識して進めたことなどはありますか?

A 社員が社会人としていかに「自立」「自律」するか、については常に意識しています。少し厳しいですが、ここは責任を伴う「仕事」をする場であり、学校や職業訓練とは違う、というスタンスで臨んでいます。

Q 社員の皆さんが業務を着実にこなしていくために、工夫されていることはありますか?

A 自分たちが請け負った業務がどこに繋がっていくか、ということは伝えるようにしています。たとえば、キャンペーン商品の梱包業務は、これがお客さまの手元に直接届いて喜んでいただける、とか、データ入力などの業務は、これを私たちが請け負うことで、依頼元の社員の皆さんが事務作業に追われずに、一歩先のことを考える仕事に集中できる、といった感じです。自分たちが「役に立っている」という実感は、着実にモチベーションにつながっていると思います。

オフィスの様子の画像
共通の作業机でパソコンを使いデータ入力をする様子

Q 成果物のクオリティが高く、ソニー生命からの評価が高い、と聞きました。

A そこはかなりこだわりを持っています。納期に関してはどうしても、少し多めに時間をいただく分、品質は譲れないですね。例えばデータ入力の場合は必ずダブルチェック工程を入れています。データ入力のほかにも、研修資料の印刷や製本、梱包や発送、郵送物の仕分けなどのほか、倉庫を一度、空にするために荷物を全部出す、といった力仕事もあり、社員は皆、忙しくしています。業務を始めると、私語もほとんどなく、集中してこなしています。

書類の発送準備の様子
書類の発送準備をしている様子

Q 職場環境で気を遣っていることなどはありますか?

A 作業をする机の上に物がたくさんあると、他の作業物と混ざってしまうリスクがあるので、整理整頓を心がけています。帰宅する時はパソコンも含めて、各自、机の上のものをすべてキャビネットに片づけるのがルールです。

オフィスの様子の画像
集中デスクやコミュニケーションスペースなど、働きやすさに配慮したオフィス

Q ソニー生命ビジネスパートナーズ同様、知的障がいのある社員が活躍するソニー希望・光との交流はありますか?

A そうですね、例えば、私たちがまだ請け負っていない清掃業務などは、どのように進めているのかを学ぶために、指導員が1、2週間見学させていただいた、ということがあり、とても勉強になりました。こうした交流は同じグループ内ならではだと思います。

岐部氏写真2枚目

Q 岐部さんにとっての、仕事を進める上での喜びや、やりがいは何ですか?

A どの社員にもみな、「ここで働いてよかった」と思ってほしい、という願いがあります。ですので、契約社員から正社員になった人がとても喜んでいるという話を聞くと、指導員である私たちもとてもうれしくなります。また、依頼元から「仕事が丁寧で助かります」「残業時間が減りました」といった声をいただいた時は、社員とともに喜びをかみしめています。

Q 最後に、就職先としてソニー生命ビジネスパートナーズを考える方へメッセージをお願いします。

A 私たちは、社員が皆、一人の社会人として自立、自律するということに非常に重きを置いているので、ときには厳しいと感じることもあるかもしれません。ですが、その分、やりがいをもっていろいろな仕事にチャレンジできる職場です。ご縁があればぜひ一緒に働きましょう。

佐藤氏写真

佐藤 智也

他のメンバーに頼られる存在になりたい

普段はパソコンのデータ入力、帳票のコピー印刷、研修テキストの製本やその梱包などを行っています。一つひとつの業務を丁寧に、正確に行うことを心掛けるとともに、報告・連絡・相談を忘れずに、そして笑顔を絶やさないようにしています。先日、契約社員から正社員に昇格する話を聞いた時は、認めてもらえたことがとてもうれしく、今まで頑張ってきて本当に良かったと思いました。今後、新しい業務が増える中でも、今まで身につけたスキルを活かし、他のメンバーに頼られる存在になっていきたいと思います。

井上氏写真

井上 恵里花

仲間と一緒に働けるのも大きな喜び

私は、パソコンのデータ入力などの他に、ソニー生命の本社でシュレッダー業務を担当しています。毎日、保険事務部門に、破棄する書類を回収に行きます。書類を運ぶ時に付箋一枚でも紛失しないように注意し、また、シュレッダー周りに事前に何も落ちていないことを確認してから取り掛かっています。書類を回収する時は、「おはようございます、書類の回収に参りました」と皆さんに伝わるように挨拶し、回収漏れのないようにしています。会社を立ち上げた時の13人の中には職場が離れている人もいるので、たまに集まってご飯を食べに行き、コミュニケーションをとっています。そんな仲間と一緒に働くことができるのも大きな喜びです。

女性と男性が机で業務をする様子
データ入力(写真左)、書類の発送準備(写真右)をする様子

一つひとつの業務を通じて、社員が自信を積み重ねられる場でありたい

森山氏写真

ソニー生命ビジネスパートナーズ株式会社
代表取締役社長
森山 嘉樹

今回の会社立ち上げに際し、実は、「特例子会社」であるがゆえに特別に悩んだことというのはありませんでした。皆、決められたことはきっちりとこなし、成長に対する意欲も高い。私たちの中にいつのまにか存在している「障がいのある人はこうだろう」という先入観を、いい意味で裏切られたのが正直なところです。ソニー生命からの反応も概ねポジティブです。ソニー生命は、障がいのある人とともに働くことに対しての理解が大きいように感じています。指導員の中には他社の特例子会社で働いていた人もいるのですが、彼らも同様の印象を持ったと言っていました。たとえば、納期までに少し長く時間がかかることへの理解や、詳しいマニュアルの準備などについてもとても協力的です。
ただ、弊社の社員の様子を見ていて少し感じるのは、能力は十分あるのにまだまだ自信がない人が多いということです。一つひとつの業務を着実にこなすことで、ここが皆にとって自信を積み重ねることができる場でありたいと思います。その自信が弊社の社員であることの誇りにつながってほしいと願っています。

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