10日のドル円は上昇した。アジア時間には、米中の貿易協議進展への期待から145円30銭近辺まで上昇するも反落。ただ、その後は再びドル買い・円売りが進行し、「米中が先月ジュネーブで合意した事項の実施枠組みで原則合意に至った」と報じられたこともあり、再び145円台に乗せる場面も見られている。もっとも、今回の合意内容は既に合意済みの内容の再確認に近く、目新しい進展があったわけではない。相場の反応も鈍く、ドルの上昇も限定的だ。相互関税を巡る不透明感は依然として強く、ドル円も積極的に上値を追う展開にはなりにくい。なお、本日は米国の5月消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。相互関税による輸入インフレが今回の結果に直ちに反映される可能性は低いが、どの程度影響があるか見極めたい。(森本)
本日の予想レンジ:144.20-145.50円