9日のドル円相場は方向感に乏しい。アジア市場中は145円の節目が上値抵抗として意識される中、前営業日の上昇に対する調整的な売りも相まって144円ちょうど付近まで下落。欧州市場以降は切り返すも、米国で発表された5月NY連銀期待インフレ率に減速が見られたことを受けて米長期金利が低下すると、上値の重さが見られた。ただ、全体としてはこの日からロンドンで行われている米中の協議を見守るムードが強い。米中協議は本日も継続される予定で、引き続き関連報道には要注意だ。ベッセント米財務長官とラトニック米商務長官は「実りある協議ができた」などとコメントしているが、中国の何副首相は記者団に全くコメントをせずに立ち去っており、不透明感は依然強い。関連報道は波乱要因として警戒すべきだろう。この他、本日は豪州で6月ウエストパック消費者信頼感指数と5月NAB景況感指数、英国の5月雇用統計、ノルウェーやブラジルの5月消費者物価指数の発表が予定されている。(石川)
本日の予想レンジ:143.50‐145.80円