5日のドル円は上昇。トランプ大統領と習近平国家主席はこの日、電話会談でさらなる貿易協議の実施で合意した。トランプ氏が「非常に良い会談だった」との認識を示すと、為替市場ではリスクオンの円売りが優勢に。もっとも、トランプ氏が、大型減税法案を繰り返し批判するイーロン・マスク氏が率いるテスラへの補助金を打ち切る可能性を示唆し、同社株価が大幅安となったことなどが、ドル円の重石に。144円ちょうど近辺では売り圧力に押されている。一方、ユーロは上昇。欧州中銀(ECB)はこの日の理事会で市場予想通り25bpの利下げを決定したが、ラガルド総裁が利下げサイクルの終了が近づきつつあることを示唆したことから、ユーロ買いが優勢となった。本日は、米国の5月雇用統計に注目が集まる。雇用関連指標を巡っては、ADP雇用統計や新規失業保険申請件数が弱い結果となり、労働需給悪化への懸念が強まっている。それだけに、予想外に底堅い結果となれば、ドルの買い戻しが強まる公算。ただ、その場合でも、貿易協議の行方を見極めたいとの思惑が強い中、145円台では上値が重くなりそうだ。(森本)
本日の予想レンジ:142.50-144.80円