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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2025年06月03日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

米中の関税交渉の行方に動揺

為替

2日のドル円相場は下落。前週末、米国のトランプ大統領が鉄鋼・アルミ製品に課す関税を6月4日から50%に引き上げる(現行25%)計画を表明したことを受けて、週明けからドル円相場は軟調に推移。さらに、同大統領が「中国が米国との合意に完全に違反した」と主張し、厳しい措置を取る可能性を示唆したことでリスク回避の動きは強まり、ドル円は一時142円台半ばまで下値を切り下げた。ただし、ホワイトハウスのレビット報道官が、今週末に米中首脳で協議する可能性が高いことを明らかにした点などがサポート要因となり、この水準では底堅く推移。なお、一部では米政府が中国製品の一部に対する関税適用停止措置を8月31日まで延長するとの報道もある。本日も引き続き、米中間の貿易協議の行方が市場で最大の関心事となろう。また、本日は米国のJOLTS求人件数や、複数の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの発言機会も予定されている。これらを手掛かりに、ドル円相場は神経質な値動きが続くとみる。4月下旬以降、142円ちょうど前後がサポートとなっているが、これを割り込む場合はテクニカル面の地合いの悪化が顕著になろう。(石川)

本日の予想レンジ:141.40‐144.00円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

2日の米国株式市場は、主要3指標とも上昇。トランプ大統領と習近平国家主席との会談の見通しが報じられ、株価は小幅に持ち直した。またOPEC増産計画が想定よりも下振れたことで原油価格が持ち直したことがエネルギー銘柄を押し上げる材料となった。本日の日本株式市場は米国と中国の貿易摩擦緩和に対する期待と不安が交錯する展開となりそうで上値は重そうだ。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

2日の米国債券市場では長期金利が上昇。ダラス連銀総裁講演やISM製造業景況指数の仕入価格の結果が金利上昇要因に。引き続き財政赤字拡大への懸念も米金利を押し上げているようだ。本日の日本債券市場では米金利上昇を受けて売りが先行しそうだ。本日は10年債入札に注目したい。超長期ゾーンでの発行減額の可能性が高まり、超長期金利の変動リスクにやや落ち着きがみられることは入札結果に対してポジティブに働きそうだ。しかし、超長期債の発行減額の一方で中長期債の発行増額という可能性は当然高まるため、10年債入札ではその点がマイナス材料と目され、やや弱めの結果となる可能性はあるだろう。今回の入札は今後の長期金利の落ち着きどころを探る上で大変注目したい。また30年債入札結果を左右する試金石でもあろう。夕方には植田総裁講演が予定されている。関税を巡る状況に不確実性はますます高まっており、今後へのヒントには乏しそうだが、現状の環境下について総裁の認識をしっかり把握しておきたいところだ。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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