21日のドル円相場は軟調。「米国は米韓協議においてウォン高に向けた対策を要求した」との一部報道を受け、この後予定されている日米財務相会談においても米国からドル円の円安是正要求があるのではとの警戒感が広がり、ドル円は低調。さらに、米20年債入札が低調と伝えられると143円20銭台まで一時値を落とす場面が見られた。ただこの水準ではすぐにサポートされた。今朝、日米財務相会談において声明が発表され、「前回の会談と同様に為替の水準については議論されなかった」「現時点でドル円はファンダメンタルズを反映しているとの認識を再確認」との見解が示されたことで、早朝のドル円は144円台を回復している。ドル円相場には一旦は安心感が広がった格好だが、赤沢経済再生相が23日に訪米し、3回目の日米関税交渉に臨む予定となっている。また、足元では米減税案や地政学リスクへの警戒感もあり、足元のドル円の伸びは持続性を欠いたものに止まっている。本日はまず、ユーロ圏・英国・米国・カナダの要人発言の機会が非常に多いことから、ヘッドラインには引き続き要注意。また、米国でも新規失業保険申請件数や5月PMI・速報値(サービス業・製造業)、4月中古住宅販売件数の発表なども予定されており、内容は手掛かり材料視される公算。(石川)
本日の予想レンジ:143.20‐145.10円