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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2025年04月04日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

相互関税で総悲観

為替

3日のドル円は急落した。トランプ政権が発表した相互関税は、すべての国や地域に対して一律で10%の関税を課した上、国・地域別に異なる税率を上乗せするもの。日本には合計で24%、中国に34%、欧州連合(EU)に20%を課す、市場の想定を上回る深刻な内容となった。これを受け、為替市場ではリスク回避の円高と米国のスタグフレーションを懸念したドル売りが優勢に。ドル円は一時145円20銭まで下落した。米国の3月ISM非製造業景気指数が市場予想を下回ったことも、ドルの重石となった。市場が大きくリスクオフに傾く中、本日は3月米雇用統計の発表が予定されている。弱い結果となれば、一段とドル売りが強まる可能性もある。ただ、相互関税は現状が「上限」であり、今後は交渉次第で引き下げられる可能性が高い。雇用統計が市場予想より大幅に弱い結果にならない限り、ドル円の下落ペースも和らぐ公算だ。(森本)

本日の予想レンジ:145.00-147.50円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

3日のNYダウは急反落した。前日比1679.39ドル(3.97%)安の40545.93ドルで終えた。下げ幅はコロナ禍の2020年6月以来の大きさだった。2日夕にトランプ大統領が発表した「相互関税」は市場の想定を上回る厳しいものとなり、インフレと景気悪化が同時に進むスタグフレーションへの警戒が大きく高まった。貿易戦争に伴う景気や企業収益の悪化懸念が高まった。ナスダック指数は約6%、S&P500指数も約5%の大幅下落で終えた。こうしたなか、本日の日経平均株価も昨日の約1000円安に続き、大幅続落が見込まれる。昨日の下げを主導したのは金融株だったが、本日はハイテクや製造業全般に売りが広がる公算。円高進行も相場の重荷。日経平均先物は前日比1230円の下落を見込む。(渡辺)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

3日の米債券市場は5日続伸。米10年物国債利回りは前日比10.2bp低い(価格は高い)4.029%で終えた。相互関税の発表を受けて景気悪化や貿易戦争への警戒が高まり、安全資産である債券が買われた。この日発表の3月のISM非製造業景気指数が市場予想より弱い結果となったことも、スタグフレーションへの警戒を高め、債券買いを促した模様。FRBのジェファーソン副議長はこの日の講演で、長期的なインフレ見通しは安定しているとの見方を示した一方、クック理事は同日に「経済は不確実性の時期に突入したようだ」と述べ、慎重な姿勢を続けるとの見方を示した。4日に講演予定のパウエル議長の政策スタンスに注目が集まる。こうしたなか、本日の本邦債券市場は続伸の公算。リスクオフに伴う米金利の低下と日銀利上げ期待の後退が債券相場を押し上げる見込み。(渡辺)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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