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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2025年03月13日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

米CPIは弱含み

為替

12日のドル円は上昇後に失速。欧州勢参入後、米国が提示したロシアとの30日間の停戦案をウクライナが支持する中でリスクセンチメントが改善し、上昇。米国の2月消費者物価指数(CPI)が市場予想よりも弱い結果となったことでドル安が瞬間的に進む場面も見られたが、一時149円10銭台まで値を上げた。ただし、その後は軟化。トランプ米大統領が発動させた鉄鋼・アルミニウム製品への25%追加関税について、欧州委員会が対抗措置を取ると表明したことに対し、同大統領が「もちろん対応する」と発言したことなどもあり、貿易戦争への警戒が重石となった。本日も台風の目はトランプ米大統領の発言になろう。昨日のドル円の上昇はこれまで積み上がっていた投機筋の円買いポジションも押し上げ圧力になったとみられ、3月上旬のドル安・円高基調に一服感も出た。ただ、ドル円を取り巻く周辺環境が変わったわけではない。関税合戦が深刻化していく様子が示されればリスク許容度が収縮し、再度円買い優勢になる可能性があるため注意したい。なお本日は、米国の生産者物価指数(PPI)や新規失業保険申請件数の発表の他、トランプ米大統領と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長の会談が予定されている。(石川)

本日の予想レンジ:147.20‐149.50円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

12日の米株式市場は物価指標と関税政策をにらみ、一進一退。NYダウは前日比82.55ドル(0.19%)安の41350.93ドルと昨年9月以来の安値で終えたが、S&P500指数、ナスダック指数は自律反発した。もっとも、S&P500は最高値を記録した2月19日と比較すると9%安、ナスダックは12%安の水準にとどまる。米政権は12日にすべての国からの鉄鋼・アルミニウム製品への25%の追加関税を発動し、EUやカナダが報復措置を発表した。トランプ関税により、景気悪化とインフレが同時に進むスタグフレーションのリスクが意識されるなか、株価の底入れ機運は乏しい。こうしたなか、本日の日本株は米ナスダックの自律反発を受け、半導体関連を中心に電機や機械株が買われ、上昇の公算。日経平均先物は前日比210円高を見込む。(渡辺)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

12日の米債券市場は続落。米10年国債利回りは前日比3.3bp高い、4.312%で終えた。この日発表の2月の米CPIは前年比で2.8%、コアは3.1%といずれも前月から減速し、市場予想も下回った。もっとも、トランプ関税によるインフレ圧力がCPIに反映されるのはこれからで、インフレの更なる鈍化は見込みにくいとの見方から、相場の反応は限られた。こうしたなか、本日の本邦債券市場は下落の公算。春闘の集中回答日では満額回答が相次ぎ、日銀の利上げ期待が金利上昇を促す公算。なお、日銀は「例外的な状況」では機動的に国債買い入れの増額を実施する構えだが、昨日の国会で植田総裁は、足元のように将来の政策金利予想を反映して長期金利が変動することは「自然な姿」との見解を述べ、債券市場への介入に慎重姿勢を示した。(渡辺)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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