4日のドル円相場は上昇。アジア市場中に一部通信社が12月18-19日の金融政策決定会合について、政策据え置きの可能性を報じると、円金利が急低下し、円安が進行。米国市場の序盤にかけて151円20銭台まで値を上げた。ただし、米国の11月ADP雇用統計や11月ISM非製造業景況指数が市場予想を下回る結果になると、一時は150円ちょうど付近まで上げ幅を縮小した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「米国経済は現在、驚くほど良好な状態」「経済と金融政策の現状に非常に満足」などと発言したことを眺め、150円台半ばまで切り返した。昨日は、これまで日本の利上げの織り込みを進めてきた市場にとって、サプライズとなった。報道は可能性を伝えるものであるが、これまでもそうした報道が日銀の金融政策を事前に示唆した過去は複数あり、市場は警戒している。ただ、これまでそうした「示唆的」な報道を行ってきたメディアではない通信社から報じたこともあり、信憑性の判断が難しい。引き続き関連報道には要注意だ。ドル円は上昇する場合、200日移動平均線(本稿執筆時点151円99銭)がまずは目途となってこよう。なお、本日のアジア市場中は中村日銀審議委員の挨拶、米国では新規失業保険申請件数と10月貿易収支の発表と、バーキン・リッチモンド連銀の発言機会が予定されている。また、4日、フランスではバルニエ首相の不信任案が可決され、政局不透明感は増している。関連報道でユーロが動揺する局面も想定しておきたい。(石川)
本日の予想レンジ:149.50-151.60円