9日のドル円は上昇。米利下げ期待の後退に伴う米金利上昇に連れて、この日は全般的にドル買いが優勢に。加えて、S&P500指数が史上最高値を更新する中、リスクオンの円売りが強まったことも、ドル円の上昇を促した模様。ドル円は8月16日以来の149円30銭台まで上昇している。なお、この日発表された9月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、複数の参加者が25bpの利下げに賛成したことが明らかとなった。25bpの利下げに投票したのはボウマン理事のみだったが、実際は投票結果以上にメンバー間で見解が割れていた様子が窺える。一方、NZドルは下落。NZドル中銀はこの日、50bpの大幅利下げを決定した。市場では25bpの利下げ幅と見方が割れていただけに、NZドル売りが優勢となった。声明で一段の金融緩和が示唆されたことも、NZドルの重石となった。本日は、米国で9月消費者物価指数(CPI)が発表される。このところ、強い米経済指標が相次いでおり、FF金利先物市場においては年内2回の利下げすら疑問視されている状況だ。今回のCPIで順調なインフレ抑制が示唆されれば、改めて利下げ期待が高まる可能性も。もっとも、米経済のソフトランディングへの期待が高まる中、ドル円は下落した場合でも下げ幅は限られそうだ。(森本)
本日の予想レンジ:147.90-150.70円