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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2024年10月10日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

米インフレの動向を見極める

為替

9日のドル円は上昇。米利下げ期待の後退に伴う米金利上昇に連れて、この日は全般的にドル買いが優勢に。加えて、S&P500指数が史上最高値を更新する中、リスクオンの円売りが強まったことも、ドル円の上昇を促した模様。ドル円は8月16日以来の149円30銭台まで上昇している。なお、この日発表された9月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、複数の参加者が25bpの利下げに賛成したことが明らかとなった。25bpの利下げに投票したのはボウマン理事のみだったが、実際は投票結果以上にメンバー間で見解が割れていた様子が窺える。一方、NZドルは下落。NZドル中銀はこの日、50bpの大幅利下げを決定した。市場では25bpの利下げ幅と見方が割れていただけに、NZドル売りが優勢となった。声明で一段の金融緩和が示唆されたことも、NZドルの重石となった。本日は、米国で9月消費者物価指数(CPI)が発表される。このところ、強い米経済指標が相次いでおり、FF金利先物市場においては年内2回の利下げすら疑問視されている状況だ。今回のCPIで順調なインフレ抑制が示唆されれば、改めて利下げ期待が高まる可能性も。もっとも、米経済のソフトランディングへの期待が高まる中、ドル円は下落した場合でも下げ幅は限られそうだ。(森本)

本日の予想レンジ:147.90-150.70円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

9日のNYダウは続伸。前日比431.63ドル高い42512ドルで終え、史上最高値を更新した。好調だった9月分の雇用統計発表以降、市場では米景気の軟着陸期待が高まっており、この日も景気敏感銘柄を含め幅広い銘柄に買いが入った。午後には、0.5%の大幅利下げを決めた9月17~18日のFOMC議事要旨が公表され、複数のメンバーが0.25%の利下げを主張していたことが明らかになった。もっとも、市場では雇用統計を受けて、再度0.5%幅の利下げが行われるとの期待は消滅しており、ややタカ派的な議事要旨の内容にも反応は薄かった。この日はナスダック指数やS&P500指数も揃って上昇した。こうしたなか、本日の日経平均株価も上昇を見込む。米金利が上昇し円安が進行したことも押し上げ要因となりそうだ。日経平均先物は前日比400円高を見込む。(渡辺)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

9日の米債券市場は反落。米10年物国債利回りは前日比6.1bp高い4.073%と、約2カ月半ぶりの高水準で終えた。この日公表のFOMC議事要旨では、0.5%の利下げ決定に対し、何人かの参加者が0.25%の利下げが望ましいとの考えを示していたことが分かった。もっとも、市場では好調だった雇用統計を受けて大幅な利下げへの期待は後退しており、大きな反応は出なかった。この日の株価上昇もリスク選好度を高め、債券売りにつながった模様。10日には9月の米CPIが発表される。市場予想通りのインフレ鈍化となれば波乱はないが、景気のソフトランディング期待が高まるなかでインフレ率が上振れる場合には、利下げ期待の後退とともに金利上昇に拍車が掛かる恐れがある。こうした流れを受け、本日の本邦債券市場も下落の公算。(渡辺)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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