1日のドル円は急落。この日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通り政策金利の据え置きが決定された。声明文には、「ここ数カ月インフレ目標にむけてさらなる進展は見られていない」との文言が追加され、利下げの可能性が遠のいたことが示唆された一方、6月以降保有する米国債の削減額を月額600億ドルから250億ドルに減額することも決定された。パウエル議長の記者会見でも、インフレ抑制に確信が持てるようになるまでには時間が掛かりそうだとの従前の認識が繰り返されたが、次の一手が利上げとなる可能性は低いとも明言。市場の一部では、追加利上げもあり得るとの認識が示されるのではないかとの思惑が強まっていただけに、発言を受けて為替市場ではドル売りが優勢となった。記者会見中の値動きは比較的小幅なものとなったが、その後日本時間早朝にかけてドル円は急落。一時153円03銭まで円が急騰した。FOMC後に米金利は反発している一方での円の急伸であり、先月29日に続き為替介入が実施されたのではないかとの見方もある。本日のドル円は、介入への警戒感が燻る中で上値の重さが意識されそうだ。もっとも、足元の金利差の水準から見たドル円の「適正値」は153~154円程度であり、それ以上の円高が進む可能性は低い。明日の米雇用統計を見極めたいとの思惑もあり、下値の堅さも意識されそうだ。(森本)
本日の予想レンジ:154.00-156.00円