11日のドル円は上昇。前日に発表された米国の3月消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受けたドル買いが継続した。この日に発表された米国の3月卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ると、一時上げ幅を消す場面も見られたが、米国の利下げ開始時期が先送りになるとの見方が根強い中で、アジア市場のサポートラインであった152円70銭台では底堅く推移。切り返すと153円30銭と、1990年6月以来の高値を更新した。一方、ユーロは乱高下。欧州中銀(ECB)は理事会において、政策金利(預金ファシリティ金利)を市場予想通り4.00%に据え置いた。声明では「インフレが持続的に収まるとの確信を得られれば、利下げが適切」などとし、利下げについては引き続き「データ次第」というスタンスだったことで反応は一時的。むしろPPI前後のドル主導の動きの方が大きかった。本日の米国では、3月輸入物価指数や4月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値、金融当局者の発言機会が複数予定されており、それぞれ内容が注目される。ただしドル円に関しては同時にドル売り・円買い介入も広がっており、引き続き神経質な値動きが続く公算だ。なお、アジア市場中には中国の3月貿易収支、欧州市場では英国の2月鉱工業生産、スウェーデンの3月CPIなどの発表も予定されている。(石川)
本日の予想レンジ:152.30-153.70円