10日のドル円は急騰。この日発表された米国の3月消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年比+3.5%、コア指数が+3.8%と市場予想(それぞれ+3.4%、+3.7%)を上回る結果に。予想との乖離は大きくなかったものの、インフレ抑制の遅れが意識されると、米国の利下げ期待は後退。為替市場ではドルが全面高となった。ドル円は1990年6月以来の高値を更新し、一時は153円台に乗せる場面も見られている。ドル円の急騰を受けて、今朝方も神田財務官からは「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず適切に対応する」「年初からの動きはかなりの変動幅だ」との円安けん制発言があり、為替介入への警戒感が一段と高まっている。前回2022年の介入時は9月・10月共に2円程度急騰した後に介入に踏み切っており、今回も154円近辺まで急速に上昇すれば、介入が入る可能性が高い。米株価や日経平均先物が下落する中で、リスクオフの円買いにより足元の水準でドル円が踏みとどまるか、注目の局面だ。なお、本日は欧州中銀(ECB)が金融政策を発表する。6月利下げに向けた地ならしが行われる公算だが、こちらは無風通過となりそうだ。(森本)
本日の予想レンジ:152.00-153.50円