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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2024年04月11日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

強いCPIでドル高・米金利急騰

為替

10日のドル円は急騰。この日発表された米国の3月消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年比+3.5%、コア指数が+3.8%と市場予想(それぞれ+3.4%、+3.7%)を上回る結果に。予想との乖離は大きくなかったものの、インフレ抑制の遅れが意識されると、米国の利下げ期待は後退。為替市場ではドルが全面高となった。ドル円は1990年6月以来の高値を更新し、一時は153円台に乗せる場面も見られている。ドル円の急騰を受けて、今朝方も神田財務官からは「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず適切に対応する」「年初からの動きはかなりの変動幅だ」との円安けん制発言があり、為替介入への警戒感が一段と高まっている。前回2022年の介入時は9月・10月共に2円程度急騰した後に介入に踏み切っており、今回も154円近辺まで急速に上昇すれば、介入が入る可能性が高い。米株価や日経平均先物が下落する中で、リスクオフの円買いにより足元の水準でドル円が踏みとどまるか、注目の局面だ。なお、本日は欧州中銀(ECB)が金融政策を発表する。6月利下げに向けた地ならしが行われる公算だが、こちらは無風通過となりそうだ。(森本)

本日の予想レンジ:152.00-153.50円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

10日の米国株式市場は大幅下落。主要3指標とも下落した。注目された3月のコアCPI結果は、市場予想よりも強含む内容となったことで、金融市場では早期利下げ観測が後退。これを受けて、金利に敏感なグロース株を中心に株価は下落する展開となった。本日の日本株式市場も米国株の下落を受けて弱い動きとなることは避けられないだろう。半導体銘柄を中心に売りが大きくなる可能性がある。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

10日の米国債券市場は大幅下落。10年債利回りは急騰し、4.5%台まで一気に上昇した。3月のコアCPI前年比は2月から変わらず、3カ月前・6か月前対比でみた場合は加速しており、1~2月のコアCPIの再加速が一時的でない可能性が示唆された。中身をみると、コア財の減速が継続し、家賃も上げ止まりつつあるが、肝心のサービス(家賃除く)の減速ペースが鈍りつつある。サービス価格の減速ペース鈍化を受けて、債券市場が織り込んでいた6月の早期利下げ観測は後退し、長期金利は大きく上昇することとなった。ただし、今月は自動車保険料や医療サービスの押し上げが大きかったが、これらはPCEデフレータの基礎指標ではないため、基礎指標となるPPIについて本日念のため必ずチェックする必要があろう。また、6月FOMC前までにまだ2回のCPI公表が控えている。本日の本邦債券市場は米金利上昇を受けて下落するだろう。本日の注目点は20年債入札だが米金利急騰を受けて様子見姿勢が広がり、低調な結果となりそうだ。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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