5日のドル円は上昇。アジア時間序盤には前日からの流れを受けて一時150円80銭近辺まで下落する場面も見られた。ただ、その後発表された3月米雇用統計が、非農業部門雇用者数が前月比30.3万人増と市場予想(21.4万人増)を大幅に上回ったことが判明すると、ドルの買戻しが優勢に。ドル円は151円台後半まで上昇して週末を迎えた。もっとも、雇用の拡大の一因は移民の増加であり、インフレの要因である賃金については、平均時給が前年比+4.1%と市場予想通り減速。労働参加率も市場予想をやや上回るなど、これまでの人手不足による賃金インフレ加速という状況とは異なってきている。こうした中、ドル買いの動きも継続的なものとはなっていない。注目の雇用統計を通過し、本日のドル円は比較的小さな値幅での推移となりそうだ。ドル円は強い雇用統計でも152円の上抜けに失敗しており、徐々に上値の重さが目立ちそうだ。投機筋のポジションが大きく円ショートに傾く中、ドル円は下方向のリスクが意識される。(森本)
本日の予想レンジ:151.20-152.00円