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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2024年04月08日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

米雇用者数は急増したが…

為替

5日のドル円は上昇。アジア時間序盤には前日からの流れを受けて一時150円80銭近辺まで下落する場面も見られた。ただ、その後発表された3月米雇用統計が、非農業部門雇用者数が前月比30.3万人増と市場予想(21.4万人増)を大幅に上回ったことが判明すると、ドルの買戻しが優勢に。ドル円は151円台後半まで上昇して週末を迎えた。もっとも、雇用の拡大の一因は移民の増加であり、インフレの要因である賃金については、平均時給が前年比+4.1%と市場予想通り減速。労働参加率も市場予想をやや上回るなど、これまでの人手不足による賃金インフレ加速という状況とは異なってきている。こうした中、ドル買いの動きも継続的なものとはなっていない。注目の雇用統計を通過し、本日のドル円は比較的小さな値幅での推移となりそうだ。ドル円は強い雇用統計でも152円の上抜けに失敗しており、徐々に上値の重さが目立ちそうだ。投機筋のポジションが大きく円ショートに傾く中、ドル円は下方向のリスクが意識される。(森本)

本日の予想レンジ:151.20-152.00円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

5日の米国株式市場は上昇。主要3指標とも大きく上昇した。前日に株価が大きく下落した反動の面が大きかったとみられ、中東情勢緊迫化などの懸念がある中でも上昇に転じた。同日公表された3月の雇用統計結果について、株式市場では景気後退確率の低下という点から買い材料として意識されたとの指摘もある。雇用統計をみると、3月の結果は総じて強く、労働参加率が上昇する中でも失業率は低下しており、労働需給に引き続き大きな緩みはみられない中で、平均時給は小幅に減速するという結果となった。要因は移民の増加が大きいとみられ、労働供給拡大に伴って景気拡大とインフレ率減速が両立するという、FRBにとって理想的な状況が続いている。ただ、今回の結果は最速6月利下げ開始という金融市場やFRBの想定に対して一石を投じる結果とも言える。今後決定的に重要なのは今週のCPIとPPIになるだろう。本日の日本株式市場は、米国株の上昇を受けて買い先行となりそうだ。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

5日の米国債券市場は下落。10年債利回りは大きく上昇し、4.4%台となった。米雇用統計の結果を受けて早期利下げ観測が後退し、長期金利が大きく上昇する結果となった(株式の項目参照)。本日の本邦債券市場は米国債下落を受けて軟調になりそうだ。本日は日銀の買い入れオペが予定されているが、減額の見込みは小さく債券市場にとってはプラス材料となりそうだ。今週は20年債入札が予定されており債券需給をはかる上で注目したい。今朝公表された毎月勤労統計調査の2月分の結果では共通事業所ベースで所定内給与の伸び率は引き続き2%前後の伸びを維持する結果となった。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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