28日のドル円は続落。アジア市場中に軟化し、148円ちょうどを試すも、欧州市場序盤では一旦148円80銭前後まで切り返した。しかし、米国の利上げ局面が終了したとの見方が根強い中でドルの戻りは弱く、タカ派で知られる米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が「インフレ率がさらに数か月低下し続ければ、政策金利を引き下げる根拠は十分にある」などと発言すると、米長期金利が低下し、ドル売りが活発化。本日早朝には147円割れを試す展開となった。ドル円は90日移動平均線を完全に割り込み、テクニカル面でも下方に圧力がかかりやすい状態。147円を割り込むと、次の下値目途は9月11日安値145円91銭付近か。本日の米国では7-9月期国内総生産(GDP)・改定値及びメスター・クリーブランド連銀総裁の講演、米地区連銀経済報告の発表が予定されており、これらが手掛かり材料視される可能性がある。ただし、ウォラーFRB理事の発言が長期的なものを見据えた仮定の発言であった点には注意したい。同理事は「政策が好位置にあるとの確信を強めている」とも発言しており、またこの日はボウマンFRB理事が「インフレ率低下が停滞した場合には利上げを支持する」とも述べている。タカ派で知られるメスター総裁の発言が市場の前のめりな利下げ早期化期待に沿わない場合、一旦90日移動平均線前後までの反発もあり得るだろう。要注意だ。このほか、本日はNZ中銀の金融政策発表(市場予想:据え置き)も予定されている。(石川)
本日の予想レンジ:145.90-148.00円