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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2023年06月05日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

強弱入り混じる米雇用統計

為替

2日のドル円は大きく上昇した。この日発表された米国の5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比33.9万人増と市場予想(19.5万人増)を大きく上回る結果に。市場の6月の利上げ期待は低下していただけに、強い結果への反応は大きく、ドル円は138円台後半から140円ちょうど近辺まで急進した。もっとも、失業率は3.7%と市場予想(3.5%)以上に加速し、平均時給は前年比4.3%と市場予想(4.4%)を下回った。総合的に見れば労働需給の緩和を示唆しており、市場の反応は行き過ぎの可能性も。本日は、5月米ISM非製造業景気指数が発表される。市場では、前月から改善することが予想されているが、強い結果となれば、サービスインフレの長期化への思惑から、ドル買いが進む公算。もっとも、連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控える中、今週のドル円は比較的様子見ムードの強い値動きとなりそうだ。(森本)

本日の予想レンジ:139.50-140.90円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

2日の米国株式市場は上昇。主要3指標とも大きく上昇する展開。同日は雇用統計の結果を受けて、VIX指数が15ポイントを割る水準まで低下するなど、FRBの利上げ停止への期待が株式市場では高まったことが要因とみられる。雇用統計結果をみると、雇用者数の増加幅は予想を上振れ、過去分も上方修正されるなど強い結果だったが、失業率も3.7%まで急上昇し、平均時給も前月から減速するなど労働需給のタイト感がやや薄れていることが材料視されたとみられる。ただ、失業率の上昇の主因は自営業者の失業にあり、振れの大きい項目でもあるため、来月に失業率が再び低下したとしてもおかしくない。今回の雇用統計の評価としては、利上げ停止の十分な論拠になるとは言えないだろう。そのため、来週公表予定のCPIには注目したい。今週の本邦株式市場は底堅く推移するのではないか。米国ではCPI以上に注目の指標があるわけではないが、ISM非製造業景況指数等の結果から利上げ停止期待を高める材料に注目が行くのではないかだろうか。日本株にとって米国の景気の底堅さや利上げ停止期待への高まりはプラス材料だ。国内材料としては毎月勤労統計の結果が注目される。4月分の給与から春闘における賃金引き上げ方針の影響が反映される可能性があり、賃金の大幅上昇は景気拡大期待を高め、株価を押し上げよう。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

2日の米国債券市場は下落。米2年債・10年物国債利回り共に上昇し、特に短期ゾーンの上昇幅が大きかった。言うまでもなく、雇用統計の強い結果を受けて利上げ継続観測がやや高まったためだ。一方、失業率の上昇やFRB要人発言等もあり、債券市場でも6月FOMCでの利上げ継続が完全に織り込まれることはなく、現状は6月の利上げ停止が最も想定されるシナリオとなっている。今週は、FOMC前のブラックアウト期間であることや来週にCPI公表を控えることもあり、債券市場としてはやや材料難の週だ。ISM非製造業景況指数の結果等からよほど利上げ継続期待が高まらない限り、更なる金利上昇は見込みにくい一週間となるのではないか。今週の本邦債券市場は米国の利上げ継続観測が金利上昇要因にはなりうるものの、金利の上値は重いと予想。先週公表された債券市場の機能度判断DIが改善したこともあり、YCC再修正観測が沸騰する可能性は小さい。30年債入札も金利水準からみて無難な結果になると予想され、サポート材料になるだろう。ただ、毎月勤労統計調査の結果で春闘の賃上げ方針が反映されて所定内給与が予想以上の大幅上振れとなれば、金利上昇要因にはなりうるので注意しておきたい。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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