【参】マーケット情報:カテゴリ
マーケット情報Market Report
ページタイトル
Daily Market Report(日次)
お知らせ:表示

ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2023年03月15日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

SVB破綻直後の影響は一巡

為替

14日のドル円は上昇。この日発表された2月米消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年比+6.0%、コア指数が+5.5%といずれも市場予想と一致した。ただ、前月比で見るとコア指数は市場予想を上回ったこともあり、米国の根強いインフレ圧力が改めて確認される結果となった。結果を受けて、米国の利上げ期待もやや復活。FF金利先物市場では、執筆時点で次回連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げを8割程度織り込んでいる。こうした中、ドル円はシリコンバレー銀行(SVB)の破綻による急落後の自律的反発もあり、134円台まで持ち直した。SVB破綻のショックは小休止したものの、VIX指数は依然として20を超えているなど、市場の不安心理は強い。円高圧力は掛かりやすく、上値の重い展開が予想される。なお、本日は米国の2月生産者物価指数(PPI)、小売売上高、3月NY連銀製造業景況指数などの発表が予定されており、結果には神経質に反応する展開となりそうだ。(森本)

本日の予想レンジ:133.00-135.30円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

14日の米国株式市場は上昇。主要3指標とも上昇に転じた。SVBショックへの対応策やCPIの結果を受けて、VIX指数が大きく低下したことでリスク選好が復活、株価は上昇に向かった。ロシア戦闘機が米軍無人機と激突する事態が発生して地政学リスクが意識されたことで下落する局面もあったが、その後は上昇に再び向かっていった。とはいえ、VIX指数はいまだ20ポイントを超える水準で高止まりしており、CDS5年物も依然として高く、金融市場の不安が完全に拭い去られたわけではない。本日のPPIが上振れするようなことがあれば、市場が不安定化している状況であるだけに再び大きな変動が起こる可能性には留意が必要だ。本日の本邦株式市場も反転しよう。ただその反発力はまだ大きくならなそうだ。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

14日の米国債券市場は大幅下落。2年債利回りは4%台を取り戻し、10年債利回りも3.7%付近まで上昇した。米国当局がSVBショックへの対応策を発表したこと等により、信用リスクに対する過度な不安は後退したことで株高債券安(金利上昇)の展開となった。この日発表されたCPIは、コア指数の前月比が市場予想を上回る伸びとなったが、おおむね市場予想通りの結果となった。家賃以外の項目についてはインフレ減速の傾向が続いており、今回のCPIの結果は3月FOMCで50bp利上げを強く迫る内容ではなかったと評価している。この点は債券市場の安心材料になっただろう。とはいえ、ここ数カ月のCPIの伸び率は明らかに当初期待ほど減速とは言えない。一部の識者からは3月FOMCでの利上げ停止ないし利下げの予測の声も出ているようだが、筆者は25bpの利上げが選択される可能性が高まったとみている。先物市場でも25bpの利上げ可能性が80%弱程度織り込まれている。ただ、FF金利のピーク水準は5%弱にとどまったままで、年内利下げの可能性は1回織り込まれたままだ。SVBショックがシステミックリスクにつながる蓋然性が高いとは言えないが、FRBの急速な利上げによる悪影響が今後顕在化していくとの懸念がすぐに後退するとも考えづらく、当面の金融市場は手探り状態となるだろう。こうした中で3月FOMCではFRBが今後の政策方針をどのように発表するか、やはりまずはこれが山場となるだろう。本日の本邦債券市場も下落となろう。10年債利回りは0.2%台まで低下したが、夜間の先物価格を見る限り、本日は上昇に向かうと予測される。SVBショックによる日本への直接的影響は軽微とみられるが、SVBの財務構造が日本の地銀に類似しているとの指摘もあり、警戒は根強く続く可能性もある。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
【参】マーケット情報:関連情報