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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2023年01月30日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

手がかり材料に乏しい1日

為替

27日のドル円は下落。米国で発表された12月個人消費支出(PCE)デフレーターが市場予想通りの結果となったものの、前の月から減速が示されたことを受けてドルは売り優勢の展開となった。ただし、ここ最近の値動きと比較すると値幅は狭い状態。週末及び1月31日から2月1日にかけて行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ポジション調整程度の動きにとどまった。ドル円相場は21日移動平均線(本稿執筆時点130円36銭)前後で上値を抑えられる状態が続いている。目下のところ、FOMCを受けてこれを上方に抜けるのか、1月16日に付けた安値127円23銭割れを試すのかが注目される。しかし、FOMC前、かつ本日の米国では主要な経済イベントもなく、ドル円相場は手控えムードの強い1日となりそうだ。なお、その他の国・地域に関しても本日は手掛かり材料となりそうなイベントに乏しい状態。目新しいニュースでもない限り、為替相場全体として落ち着いた1日となるとみる。(石川)

本日の予想レンジ:129.00-130.50円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

27日の米国株式市場は、小動きとなった。主要3指標とも上昇したものの、いずれも小幅にとどまった。インテルやマクロソフトなど大手企業の決算見通しは悲観的だが、株式市場への影響は小さかったようだ。むしろ、同日公表された12月PCEデフレータが予想通り減速したことで早期利下げ転換への期待が下支え要因となった可能性がある。今週は、企業決算とFOMC、1月雇用統計が注目される(債券の項目参照)。企業決算は悲観的な織り込みが事前にされているため、決算公表後は思ったほど悪化しなかったとの見立てから株価上昇要因となりやすいだろう。ただし、先週公表された12月の個人消費支出は前月比マイナスとなり、11月も遡及改定されて2カ月連続の前月比マイナスとなった。実質ベースではサービス消費も横ばいにとどまり、個人消費の増勢には陰りが出始めている可能性がある。米国経済の屋台骨である個人消費がピークアウトに向かえば、株式市場にとってはEPSを通じて下押し要因となる。ただし、個人消費の減速感は年末セールの前倒しなど季節性の変化による影響もありうる。そのため、基調を見極める上ではもう数カ月の統計を均して判断する必要がある点には留意されたい。ISMなどソフトデータをまず見極めたい。今週の本邦株式市場は、序盤はFOMCでのハト派示唆への期待による米国株の上昇や春節の消費回復が確認された中国株の上昇等がプラス材料となるだろう。ただFOMCで期待ほどのハト派的示唆がなく、日本の長期金利上昇圧力が続くことで、その後は株価上昇が一服する可能性が高い。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

27日の米国債券市場は小動き。2年債・10年債利回りともに上昇も、小幅にとどまった。個人消費支出やPCEデフレータといった重要な指標が公表されたが、市場予想通りの結果であり反応は小さかった。今週はいよいよFOMC、そして1月の雇用統計がメインイベントだ。FOMCではインフレ統計の鈍化等から利上げ幅の25bpの縮小が既に織り込み済だ。注目は、利上げ停止に関わる示唆が出てくるかどうかだろう。例えば声明文の継続的な利上げ(ongoing increases)という表現が変われば、利上げ停止への示唆と考えられる。また、今回はDOTチャート(FOMC参加者の金利予測分布)は公表されないため、焦点はパウエル議長の記者会見で利上げ停止への示唆があるかどうかだろう。ただ、FRB要人の発信を踏まえると、FRBは労働需給のひっ迫や賃金上昇率をリスク視しており、インフレ抑制が不十分な状態のまま利上げ停止や利下げ転換に移行することを懸念している。そのため、今回のFOMCでは今後に向けた強い示唆は出されにくいとみられ、勝負は3月のFOMCとなるのではないか。雇用統計では、労働需給ひっ迫の緩和に向けた兆しが引き続き出てくると予想されているが、今回は23年1月の統計結果となり、過去の遡及改定によって雇用者数の増加テンポが大きく変わる可能性もある。改定の結果によって金融市場の反応が異なる可能性もあるため注意したい。今週の本邦債券市場は、10年債利回りが0.5%近傍で推移する展開が続くと予想。FOMCからハト派転換の強いメッセージが出されない可能性や2日の10年債入札への警戒によって金利は高止まりしよう。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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