12日のドル円は大きく下落した。この日発表された12月米消費者物価指数(CPI)は、前年比+6.5%と市場予想と一致。コア指数も+5.7%と市場予想と一致した。結果は予想通りだったが、総合指数が前月比で2年半ぶりにマイナスとなる中、米国の利上げペース鈍化への思惑が改めて強まると、為替市場ではドル売りが優勢に。ドル円は一時129円を割り込む水準まで急落した。その他の通貨に対してもドルは全面安となり、ユーロドルは1.0860ドル台、豪ドルは0.70ドル近辺まで上昇した。こうした中、米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレの鈍化を受けて「より慎重な利上げが適切」との認識を示した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も、この先は25bpの利上げが適切になると発言している。米国の利上げペース鈍化への期待が高まる一方、昨日は日銀が次回会合で金融緩和の副作用を点検するとの報道から、円が買われる場面も見られた。日米の金融政策が逆方向に動き出す中、本日のドル円も上値の重い展開となりそうだ。もっとも、米雇用統計とCPIという重要イベントを消化した後であり、値幅は限られてきそうだ。(森本)
本日の予想レンジ:128.30-130.00円