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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2022年12月15日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

FOMCは無難に通過

為替

14日のドル円相場は乱高下。「日銀は来年4月に発足する新体制下で金融政策の点検や検証をする可能性」との一部報道を受けて、欧州市場中に134円50銭台まで一時下落。下げ一服後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表を待つ展開。FOMCでは市場予想通り50bp幅の利上げが決定された。同時発表のドットチャートでは、政策金利の予想中央値が2023年末時点で5.125%と、市場予想(約5%)を上回った。さらに、その後の記者会見で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「今回の決定後も政策スタンスはまだ十分に抑制的ではない」とコメントしたことも相まって、ドル円は一時136円を試す展開に。ただ、同時に「十分抑制的な金利水準に近づきつつある」などとコメントしたことで、その後は米長期金利の低下を眺めて上げ幅を縮めた。本日は豪州の11月雇用統計、中国の11月鉱工業生産及び小売売上高、スイス・ノルウェー・英国・欧州・メキシコの金融政策発表など、イベントは非常に多い。各通貨の値動きには要注意。また、米国でも新規失業保険申請件数や12月NY連銀製造業景況指数、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、11月小売売上高など主要経済指標が発表予定だ。FOMCを無難に消化した後ではあるものの、結果が偏った場合には値が飛ぶ可能性もあるため、発表時の値動きには注意したい。(石川)

本日の予想レンジ:134.20-136.00円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

14日の米国株式市場は、主要3銘柄とも下落する展開に。FOMC後の金利上昇を受けて株価も下落。その後は金利上昇が一服して株価もやや持ち直したものの、終値では前日より低下。FOMCの結果は2023年のFF金利予想中央値が引き上げられるなどタカ派的に映ったようだ。また、債券市場同様に、株式市場も今後の景気後退に身構えている可能性があり、金利低下を好感しなかったとみられる。債券市場を見る限り、長期金利の上値は重い展開が続きそう(債券の項目参照)であり、今後はEPSの一段の下振れがあるかどうかがよりカギを握る。PMIや失業率等、景況感や景気を表す経済指標の動向から、今後の企業収益を見極めることが肝要となろう。本日の本邦株式市場は、米株価の動向を受けて下落しそうだが、VIX指数が低下しており、金利上昇圧力もFOMCを通過してやや落ち着くとみられることから、大きな波乱はなさそうだ。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

14日の米国債券市場は小幅に上昇。2年債利回り・10年債利回りともにFOMC結果公表後に大きく上昇したものの、その後は下落に転じて往って来いの展開。FOMCでは①2023年のFF金利予想中央値が5.125%に引き上げ(5%以上を予想する参加者がほとんど)、②24~25年にかけて毎年100bpの利下げ予想(ただしばらつきが大)、③コアPCEデフレータの2023年の予想値が上方修正され、リスクバランスDIは依然上振れといった内容。また、パウエル議長は記者会見で2023年中の利下げは考慮せずインフレ抑制を優先する姿勢を改めて強調。総じて、今回のFOMCは市場予想よりもややタカ派的な内容と評価。しかし、債券市場では先物における2023年後半の利下げ織り込みは変わらず。債券市場は急速な金融引き締めによる2023年後半からの景気悪化と、それに伴うFRBの利下げ実施に対する確信を深めているようだ。また、パウエル議長の発言から、少なくとも利上げ局面が終盤戦にあると評価しているのかもしれない。そう考えると、長期金利は当面上値の重い展開となりそうだ。本日の本邦債券市場も米金利の低下を受けて上昇する公算。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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