15日のドル円相場は小じっかり。アジア市場中に143円80銭付近まで上昇した一方、日本の政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中で、その後は上値の重い状態。米国で発表された主要経済指標は、新規失業保険申請件数と9月NY連銀製造業景況比数が市場予想よりも強い結果だった一方、9月フィラデルフィア連銀景況指数や8月鉱工業生産が市場予想を下回った。また、8月小売売上高は前月比+0.3%と市場のマイナス予想に反して増加したものの、自動車やガソリン、建材を除いた数値は市場予想より弱いというマチマチな結果となった。こうした中で米国市場では方向感を欠き、今朝にかけて143円台半ばでの推移となった。なお、産油国通貨は概ね軟調。世界的な景気減速懸念の中で需要減観測が広がっている他、米鉄道業界における約6万人規模のストが回避されたことなどを受け、原油価格が大きく下げたことが重石となった模様。本日は中国の8月鉱工業生産及び小売売上高、英8月小売売上高、カナダ7月住宅着工件数、米国では9月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値など、各国で主要経済指標が発表される予定。また、欧州では欧州中銀(ECB)要人らの講演が複数予定されている。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、大きな動きにはなりにくい可能性はあるが、それぞれ手掛かり材料視される可能性があるため、内容には注目したい。ドル円については、引き続き口先介入などがあれば円高圧力となり得る。ヘッドラインに要注意だ。(石川)
本日の予想レンジ:142.50-144.20円