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Daily Market Report(日次)
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ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2022年04月28日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

日銀の円安の評価に注目

為替

27日のドル円は上昇。このところ低下傾向にあった米長期金利が反発したことを受け、ドル買いが優勢になると、ドル円も127円ちょうどを付けた後反発。1日を通して上値を切り上げ、128円50銭台まで上昇する展開となった。一方、ユーロは下落。ロシアは前日、天然ガスのルーブルでの支払いを拒否したポーランドとブルガリアに対し、供給を停止すると発表。供給停止がユーロ圏各国に波及し、ユーロ圏経済への打撃が深刻化するとの懸念から、ユーロ売りが優勢となった。ユーロドルは一時1.0515ドルまで下落し、2017年3月以来の安値となっている。本日は、日銀が金融政策を発表する。日銀は連続指値オペで金利を抑制する姿勢を明確にしており、フォワードガイダンスの修正等があっても、新型コロナに紐付けた記載の修正など、テクニカルな変更にとどまる公算が大きい。記者会見では円安に関する質問が集中することが予想されるが、黒田総裁の見解や展望レポートにおける円安の評価に注目だ。ただ、足下のドル円は日米金利差との連動性が高く、日本の金利は米国に比べ変動幅が小さい。黒田総裁が従来の円安に対するスタンスを維持したとしても、130円を上抜ける水準まで急騰する可能性は低そうだ。(森本)

本日の予想レンジ:127.50-129.50円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

27日の米国株式市場は小幅に反発。ダウ平均、S&P500は2日ぶりの上昇となった一方で、ナスダックはほぼ横ばい。同日は、グロース株、バリュー株ともに上昇。マイクロソフトやビザの決算発表において、強気の業績見通しが示されたことがカタリストになった。中国政府が景気や雇用の安定を強調していることや、ロックダウン措置の緩和観測が出てきたこともあり、このところの下落で押し目買い需要が入った面もあろう。ただし、株価を押し下げるリスク要因(FRBの急速な金融引き締め、中国のコロナ感染拡大、ウクライナ情勢悪化)が根本から和らいだわけではない。本日は、1~3月期GDPに注目したい。成長率は減速が予想されているものの在庫投資の押し上げはく落や純輸出のマイナス寄与が主因であり、内需の底堅さが確認できれば株価のサポート材料になりうる。本日の本邦株式市場は、米株価の動向を受けて上昇を予想。円安がサポート要因となり、連休前ということから押し目買い需要が出てくるとみられる。日銀の金融政策決定会合では現状維持が予想されるも、円安に対する黒田総裁の発言や展望レポートの内容次第では株価への影響が出てくる可能性もある。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

27日の米国債券市場は下落。米10年物国債利回りは、前日差+11.13bpの2.8318%と4日ぶりの上昇。同日は、どの年限も金利は上昇し、10年・2年金利スプレッドはほぼ変わらず。5年債入札が予想ほど強い結果には至らず、同日の長期金利は下げ止まった。このところ金利下落が急激に進んだことで反動が出た面もあろう。本日は、7年債入札が実施予定。本日の本邦債券市場は、米債券市場の動向を受けて下落するとみられる。本日は、金融政策決定会合が予定される。本日も指値オペの実施期間中であることもあり、金融政策の枠組みは、(フォワードガイダンスのテクニカルな修正等の変更はありうるものの)ほぼ現状維持が予想されている。注目は展望レポートにおける円安の評価。悪い円安論が台頭する中で日銀がどのような分析を示すのかは非常に興味深い。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
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