19日のドル円は下落した。欧州時間序盤にかけては、一時114円50銭台まで上値を試す動きも見られたが、欧州時間に入り、欧州株価が大きく下落するなど、市場心理が悪化すると、リスクオフの円買いが全般的に優勢に。ドル円は一時、113円60銭近辺まで反落した。もっともその後は、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事がテーパリングの加速や早期利上げの必要性を指摘したことや、クラリダ副議長も12月にテーパリングのペースについて議論することは適切であるとの警戒を示したことで、ドル買いがやや優勢となり、下げ渋った。為替相場では全般的にドル買い・円買いが優勢となったが、特にクロス円の下げは大きく、ユーロ円は一時128円ちょうど、ポンド円は152円50銭近辺まで下落した。一旦114円を割り込んだドル円だが、113円台後半では底堅さも見せている。米インフレ懸念の強まりや金融緩和縮小ペースの加速観測はドル買い圧力となる一方、リスクオフの円買い圧力にも繋がりやすい。ドルと円の力関係が拮抗する中、ドル円は引き続き114円台ちょうどを中心とした値動きとなりそうだ。(森本)
本日の予想レンジ:113.60-114.40円