【参】マーケット情報:カテゴリ
マーケット情報Market Report
ページタイトル
Daily Market Report(日次)
お知らせ:表示

ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2021年11月22日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

テーパリング加速への思惑強まる

為替

19日のドル円は下落した。欧州時間序盤にかけては、一時114円50銭台まで上値を試す動きも見られたが、欧州時間に入り、欧州株価が大きく下落するなど、市場心理が悪化すると、リスクオフの円買いが全般的に優勢に。ドル円は一時、113円60銭近辺まで反落した。もっともその後は、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事がテーパリングの加速や早期利上げの必要性を指摘したことや、クラリダ副議長も12月にテーパリングのペースについて議論することは適切であるとの警戒を示したことで、ドル買いがやや優勢となり、下げ渋った。為替相場では全般的にドル買い・円買いが優勢となったが、特にクロス円の下げは大きく、ユーロ円は一時128円ちょうど、ポンド円は152円50銭近辺まで下落した。一旦114円を割り込んだドル円だが、113円台後半では底堅さも見せている。米インフレ懸念の強まりや金融緩和縮小ペースの加速観測はドル買い圧力となる一方、リスクオフの円買い圧力にも繋がりやすい。ドルと円の力関係が拮抗する中、ドル円は引き続き114円台ちょうどを中心とした値動きとなりそうだ。(森本)

本日の予想レンジ:113.60-114.40円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

19日の米国株式市場はまちまち。主要3指標のうちダウ平均は3日連続の下落となった一方、ナスダックは2日連続の上昇で過去差高値を更新。一方、S&P500は2日ぶりの下落。S&P500は前日比▲0.14%で4697.96。昨日は、バリュー株が4日連続の下落となる一方で、グロース株が2日連続の上昇。長期金利が3日連続の下落となり、グロース株を押し上げた一方、米国などの戦略備蓄の放出によりWTI原油価格が低下したことでエネルギー株が大きく下落。欧州での感染再拡大と行動規制の再導入を受けて、バリュー株は押し下げられた。今週は引き続き感染再拡大への懸念が高まる中、24日公表予定の10月の個人支出でサービス消費の動向に注目したい。26日のブラックフライデーを経て年末商戦シーズンが到来する。本日の本邦株式市場は小動きの見込み。経済対策への期待が株価を下支えする可能性もあるが、欧州や米国の感染再拡大懸念が下押し要因となる見込み。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

19日の米国債券市場は上昇。米10年物国債利回りは、前日差▲3.93bpの1.5462%と3日連続の下落。昨日は短・中期ゾーンの金利は横ばいも、長・超長期ゾーンの金利は下落するというフラット化の展開。同日は、WTI原油価格が75ドル/バレル近傍まで低下してインフレ期待は低下、加えて欧州での感染再拡大への懸念によりVIX指数が18近傍まで上昇するなど投資家心理が悪化したことから株安・債券高の展開に。一方、FRBのクラリダ副議長、ウォラー理事は、テーパリングのペース加速と早期利上げが必要となる可能性について言及。これを受けて、短期ゾーンの金利が押し上げられた。今週、債券市場では特段大きなイベントは予想されていない。しかし、MOVE指数は先週、80ポイントを超える水準まで上昇し、2020年初のコロナ感染拡大初期以来の高水準となった。コロナ感染再拡大の兆しやインフレ長期化とFRBの対応の変化(最近のFRB主流派の発言もタカ派化の兆しが窺える)など債券市場を巡る環境は不透明感が強まっている。市場は12月のFOMC、またそれまでに発表される経済統計の発表を見守っている段階であり、金利は不安定な推移が続くと見込む。こうした中、今週は11月のFOMC議事要旨が24日に発表されるため、FRBの対応の手がかりがつかめるか注目したい。また、FRB次期議長の指名にも注目したい。なお、今週は入札が多く予定されている(22日:2年債・5年債、23日:7年債)点にも注意したい。本日の本邦債券市場は、米金利の動向を受けて上昇の公算。19日に公表された経済対策は財政支出55.7兆円規模と巨額のように見えるが、国費に占める令和3年度の補正予算としては31.9兆円の規模となり、税収の上振れや前年予算の繰越金や前年度剰余金の活用、前倒し債の活用等まで含めて考えると、必ずしも国債の大幅増発にはつながらない見込み。そのため、今回の経済対策を受けて国債増発を意識した金利上昇圧力は必ずしも高まらないと見込む。ただ、それでも月内の補正予算の閣議決定に向けて、国債発行の不透明感から上値を追いづらい展開が続く可能性も。なお今週は25日に40年債入札が実施予定。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
【参】マーケット情報:関連情報