【参】マーケット情報:カテゴリ
マーケット情報Market Report
ページタイトル
Daily Market Report(日次)
お知らせ:表示

ソニーフィナンシャルグループ(株) Daily Market Report

issue date 2021年07月16日

ソニーフィナンシャル
グループ(株)
金融市場調査部

日銀会合は無風通過か

為替

15日のドル円は小幅安。この日は前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け、米金融緩和縮小早期化への観測が後退する中、米金利の低下と共にドル売りがやや優勢に。一時110円ちょうどを回復する場面も見られたが、滞空時間は短く、109円台後半でのもみ合いが中心となった。なお、この日発表された7月NY連銀製造業景気指数は、市場予想を大きく上まわる一方、7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は下回るなど、強弱まちまちとなった。また、NZドルは今朝方一時急騰。NZの第二四半期の消費者物価指数が3.3%と、市場予想の2.7%を上回り、中銀の目標バンドを突破したことが材料視された模様。本日は、日銀が金融政策を発表する。もっとも、気候変動対策などには注目が集まるものの、相場を大きく動かす可能性は低いとみる。また、本日は6月米小売売上高が発表される。市場では前月比-0.3%とやや弱い結果が予想されているが、前月比でプラスに転じるなど、予想に反して強い結果となれば、ドル買いが強まる公算。ただ、ドル円は5月以降サポートとなってきた21日移動平均線(110円50銭近辺)がレジスタンスに転じており、上昇幅は限られそうだ。(森本)

本日の予想レンジ:109.40-110.30円

ドル円チャート(日足)
図表ドル円ひあしチャート
ドル円チャート
図表ドル円にっちゅうチャート
為替レート(NY市場引け値)
図表為替レート一覧

株式

15日の米国株式市場は弱い結果。主要3指標のうち2指標が下落。ナスダックは3日連続の下落となった一方、ダウ平均は2日連続の上昇も小幅。S&P500は前日比▲0.33%の4360.03と2日ぶりの下落。業種別にみると、主要11業種のうち6業種が下落。昨日はグロース株の下落が相対的に大きく、利益確定売りの面もあったとみられるが、長期金利低下とVIX指数の上昇から考えるとリスクオフの地合いがやや強まった可能性。昨日は米国市場時間の前に公表された中国の4~6月期GDP成長率(前年比)が市場予想を下回り、インドネシアなど新興国を中心にデルタ株による感染再拡大も引き続き重石となった可能性。また、昨日公表された7月10日週の新規失業保険申請件数はコロナ禍以降で最低水準となったものの市場予想にはとどかず。失業保険継続受給者数(7月3日週)は減少しており、失業給付の上乗せが一部の州で終了した効果が出始めている可能性も示唆されるが、州によってまちまちな結果に。7月のニューヨーク連銀景況感指数は市場予想を大きく上回り上昇も、フィラデルフィア連銀景況感指数と6月の鉱工業生産指数が市場予想より下振れ。6月の輸入物価指数はほぼ市場予想通り。仕入価格の上昇や入荷遅延、輸入物価の上昇は継続、半導体不足により自動車・部品業の生産が低下するなど、これらの結果からはサプライチェーンの制約が依然として続いていることが示唆。昨日公表された統計は、総じてみればまだら模様の結果となっており、当初予想よりも長いインフレの高止まりと景気回復テンポのピークアウトへの警戒がやや高まったとみられる。景気の回復テンポを占う上で、本日は6月の小売売上高と7月のミシガン大学の消費者マインドに注目。 本日の本邦株式市場は下落の公算。日経平均先物は前日比200円安を見込む。(宮嶋)

日経平均株価
図表日経平均にっちゅうチャート
NYダウ
図表ニューヨークダウにっちゅうチャート

債券

15日の米国債券市場は上昇。米10年物国債利回りは前日比▲4.70bpの1.2989%と2日連続の下落。5日ぶりに1.2%台の水準まで低下。昨日は長期ゾーンを中心に金利が下落。昨日公表された各種経済指標の結果から、短期的なインフレの高止まりや景気ピークアウト感への警戒が意識されたことで、短期のBEIは上昇したものの長期ゾーンや5年先5年物は低下。昨日、上院の銀行委員会でFRBのパウエル議長は、労働力人口が回復していない中で雇用をさらに拡大する必要性やインフレ率上昇は中古車価格など限られた分野に集中しており一過性との見通しを改めて示し、前日に続いてハト派のスタンスであることを強調。また、シカゴ連銀のエバンス総裁(投票権あり)は2024年に利上げを実施すると予想しており、現在のインフレは一時的で2022年中に通常の伸びに戻ると発言。こうした発言もあって、金融緩和の早期縮小観測は引き続き後退した模様。 ただし、パウエル議長はインフレ率が予想以上に長期的な高騰となった場合は適切に対処する方針であること、テーパリング縮小の開始決定はまだ先ではあるものの担当者は先月の会合で議論を開始しており次回会合でさらに議論するとも発言。ハト派的スタンスを堅持しながらもテーパリング開始に向けた動きは進んでいることを改めて示唆。テーパリングについては、MBSおよび国債購入による影響は同程度で重要な論点であること、テーパリング開始後の一定期間はFRBのバランスシートを一定に保つ可能性があると発言。一方、セントルイス連銀のブラード総裁(投票権なし)は、インフレと雇用の両面で実質的な進展を達成したためテーパリングは可能、インフレ上昇局面ではデータに応じてテーパリングを加速させる準備をしておく必要があると引き続きタカ派的な発言。 本日は7月のミシガン大学の期待インフレ率が発表予定。期待インフレを測る上で重要な5年物5年先BEIは5月上旬以降から下落傾向が続いているため、消費者の期待インフレ率には要注目。 本日の本邦債券市場は、上昇を見込む。ナイトセッションの債券先物は前日日中取引終値対比で上昇。本日は日銀の金融政策決定会合の結果が公表予定で気候変動問題に対する基本方針の内容に注目。(宮嶋)

各国国債利回り(%)
図表国債りまわり一覧
【参】マーケット情報:関連情報