お知らせ:表示
介護業界の常識を覆す、夕食後の「ナイトアクティビティ」をソナーレ全ホームで実施
~DXも活用し、さらなる生活の豊かさへのアクセスを提供~
2025年05月15日
介護
毎年5月の第3木曜日(2025年は5月15日)は、全世界で、アクセシビリティ(※)と、アクセシビリティを必要とする人たちについて語り、考え、学ぶ「Global Accessibility Awareness Day(GAAD)」です。ソニーグループでも各事業でアクセシビリティ向上に向けたさまざまな取組みを行っています。
(※)アクセシビリティ:年齢、身体、環境などに関係なく、誰もが機器やサービスを簡単に利用できること
有料老人ホーム等を運営するソニー・ライフケアグループが掲げる事業コンセプトである“Life Focus”には、「いつまでも、安心してその方らしい生活を過ごしていただきたい」という思いが込められています。
その一環として、夕食後の時間帯におけるホームご入居者の“Life Focus”の実現を目指す「ナイトアクティビティ」への取組みが進められました。
今回は、DXも活用して、介護現場のこれまでの常識を覆し、ご入居者の新たな感動体験を作り出したソニー・ライフケアグループ社員の取組みを紹介します。
“Life Focus”の次の取組みとして、夕食後の時間における「その方らしさ」の実現を目指す
ライフケアデザイン(株)事業部
Life Focus推進室 兼
ソナーレ目白御留山 ホーム長
髙橋 友
髙橋:私たちは、“Life Focus”の事業コンセプトのもと、ご入居者の「その方らしさ」に徹底的にこだわり、ホームでもご自宅での生活と同じようにお過ごしいただきたいと考えています。それを実現するために、月に1~2日、ケアスタッフが日常の業務から完全に離れる勤務日(「LFの日」)を設け、ご入居者にじっくりと寄り添う時間を作っています。今日もここ「ソナーレ・アテリア大泉学園」では、スタッフとともに美術館に行かれている方がいらっしゃいます(※)。ご自身が本当にやりたいことに取組まれている、ご入居者の笑顔や反応が、スタッフの大きなやりがいにつながっています。
(※)当日は「ソナーレ・アテリア大泉学園」で取材を実施。
ところで、夕食後のおおよそ19時以降は、ケアスタッフの配置が少なくなることから、ご入居者にはそれぞれのお部屋で就寝の準備をしていただくことが暗黙の前提となっていました。これは当社だけでなく、介護業界全体での「常識」でもありました。
LFの日を活用したご入居者お一人おひとりのその方らしさの実現の取組みが進展し、“Life Focus”実現のための次の取組みは何だろうと皆で考える中で、こうした実態はその方らしい生活といえるのだろうかという疑問がわき、夕食後、就寝までの時間におけるその方らしい生活の実現にチャレンジしようとの気運が高まっていったことから、「ナイトアクティビティ」を重点施策のひとつとして、取組むこととなりました。
満月鑑賞会やナイトコンサートなどによる、新たな豊かさの提供
髙橋:導入にあたっては、まずは1拠点、私がホーム長を務める「ソナーレ目白御留山」をモデルホームとして取組みをスタートしました。屋上テラスでの満月鑑賞会やナイトコンサート、就寝前の美容パック、リラクゼーション効果のあるナイトヨガなど複数のラインアップを準備してご入居者に声掛けをしたところ、ご興味を持って参加いただくことができました。
ナイトアクティビティにより、ご入居者に新たな賑わいや豊かさを提供できましたし、活動の場が増えたことによりご入居者から「今までよりもよく眠れた」との声も上がりました。
介護DXを活用したスタッフ業務の改善により、ナイトアクティビティのリソースを創出
ライフケアデザイン(株)事業部
シニアマネジャー
Life Focus推進室 兼 DX推進室
兼 ユマニチュード推進室 惠 公平
惠:本来、夕食後の就寝までの時間は、一日のうちでも非常にリラックスした、「自分らしい時間」であるはずだと思います。
また、スタッフの観点からは、そもそも、夜7時という早い時間からの就寝は難しいだろうなという感覚は持っていました。
髙橋からもありましたとおり、ホームにおけるオーソドックスな業務シフトにおいては、夕食後にスタッフの配置が大きく減る中で、こなすべき業務が非常に多いという実態があります。ですので、ナイトアクティビティ実現に向けては、ご入居者に寄り添う時間をどう捻出するかが課題でした。
その課題解決の有力なツールとなったのが「介護DX」です。たとえば、すでに導入している居室見守りセンサーを活用して、夜間帯に各部屋の見回りをする工数を大きく節減するなどの業務改善を行うことで、従前スタッフ3人体制だった夜勤を2人で行えるように業務シフトを組み替え、そのスタッフリソースを夕食後の時間帯に回すことで、ナイトアクティビティを実現するための工数を確保する仮説をつくりました。その仮説をもとに、現場のメンバーが一丸となって知恵を絞り、実際の業務の整理や効率化をきめ細かく行い、ご入居者の安心・安全をしっかりと確保することを大前提に、「ナイトアクティビティ」実現のためのリソースを確保しました。
ナイトアクティビティの全ソナーレへの展開
髙橋:今回、モデルホームのホーム長としてナイトアクティビティ推進に携わり、またLF推進室も兼務する私が、次の目標に掲げたのが、「ナイトアクティビティを、ソナーレシリーズの全ホームに展開し浸透させる」ことでした。
まずはホームブログやLF推進室がホーム向けに発行・配布している社内報(La Lettera(イタリア語で“手紙”)に掲載するなどで取組み事例を社内共有しました。社内報への掲載は、ご入居者だけでなく現場のスタッフやLF推進室のメンバーもナイトアクティビティを楽しみながら実践していることや、頑張っているスタッフの姿を他のホームのスタッフにも見てもらいたいという気持ちで始めましたが、共有によって他のホームでも「やりたい」といった気持ちが盛り上がり、それをフォローする形で、ホームを横断する会議体にて展開のための議論を重ねました。
惠:関係者皆が各自の本来業務も抱えて忙しい中でも、それぞれが妥協せずに、会議で認識した課題を解決するための具体的な打ち手を次回までに本気で考えてくる、といった積み重ねがありました。
髙橋:結果として、ソナーレのその他ホームでも順次導入が進み、現在では、ソナーレシリーズの全ホームにてナイトアクティビティを開催しています。
介護現場のこれまでの「常識」を一つひとつ変革すべく、皆でチャレンジしていきたい
髙橋:今回のナイトアクティビティ実現に向けた取組みは、ソニーフィナンシャルグループ(以下、ソニーFG)の社内表彰「Sony Financial Group CHALLENGE AWARD」(※)において「大賞」を受賞しました。ソニーFG各社から数多くの挑戦がエントリーする中、大賞を受賞できたことで、現場で汗を流している一人ひとりのスタッフの努力に光を当てることができたと思っています。
(※)ソニーFGで社員の挑戦を促し賞賛する社内表彰で、「大賞」はソニーFG社員からの投票を踏まえて各社社長による選考を経て決定。
ライフケアデザイン(株)事業部
担当部長 DX推進室 兼
Life Focus推進室長 海老原 信吾
海老原:当社にはご入居者のお役に立ちたいという熱い想いを持つスタッフが多く、またLF推進室のメンバーはみな兼務で本業を抱えていますが、関係するメンバー全員で“Life Focus”を追求していこうと切磋琢磨しています。
ナイトアクティビティ実現においては、そうしたメンバーの高い志を原動力としつつも、それだけに頼ることなく、DXを活用した具体的な業務改善によりリソースをつくり出し、持続可能な取組みとなるよう進めました。
同業他社でも例の少ない取組みであるナイトアクティビティの実践は、ご入居を検討されるお客さまがホームを見学される際の効果的な訴求材料となり、ご入居の成約率向上につながるというビジネスの好循環も生まれています。
ナイトアクティビティの全社展開を含め、“Life Focus”追求のためのさまざまな施策について、現在、LF推進室のメンバーと各ホームのスタッフのそれぞれが自発的に考え、より高みを目指して取組んでいます。
ご入居者が日々過ごされている介護の現場には、変えていくべき「常識」がまだまだあると思っています。今後もその変革と“Life Focus”追求のため、皆でチャレンジしていきます。
※各スタッフの肩書やホームの状況などの記載内容は本稿作成時点(2025年3月)のものです。
関連リンク
最新の記事
【Sony Financial Group Stories】グループをもっと知る