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ソニー生命のお客さま向け書類におけるアクセシビリティ

2022年05月19日

生命

毎年5月の第3木曜日(2022年は5月19日)は、全世界で、アクセシビリティ(※)と、アクセシビリティを必要とする人たちについて語り、考え、学ぶ「Global Accessibility Awareness Day(GAAD)」です。ソニーグループでも事業ごとにアクセシビリティ向上に向けたさまざまな取り組みを行っていますが、金融分野での一例として、ソニー生命保険(以下、ソニー生命)が、視覚に障がいがあるお客さまや高齢のお客さま向けに、郵送書類に行っている工夫について、担当者からのコメントでご紹介します。

(※)年齢、身体、環境などに関係なく、誰もが機器やサービスを簡単に利用できること

担当者写真
左から、ソニー生命 共創戦略部 渡邉 法子、オペレーション企画部 渭原(いはら)さやか

大切な書類であることに気づいていただく工夫
~Uni-Voice(ユニボイス)と「切り欠き」


ソニー生命では2019年から視覚に障がいがあるお客さま向けに、一部の郵送物に音声コード"Uni-Voice(ユニボイス)"を用いた音声案内電子サービスを導入しています(※)。

※JAVIS(日本視覚障がい情報普及支援協会)が開発した、漢字を含む文字データを約 800 文字記録できる2 次元バーコード。スマートフォンやタブレット用のアプリケーション(無料)を使用することで、文字情報を「テキスト表示」と「音声読み上げ」で確認できる。


ユニボイス写真
音声コード"Uni-Voice(ユニボイス)を一部の郵送物に導入


 
Q:Uni-Voice(ユニボイス)導入から約3年が経ちました。導入のきっかけおよび、今はどのような書類に採用しているのか、教えてください。

A:(渭原)2019年当初から、音声読み上げの仕組みはいくつかありましたが、その中でもUni-Voice(ユニボイス)は、ねんきん定期便やマイナンバー通知カード等にも広く採用されていること、またアプリをダウンロードすればどなたでも利用できるということが導入の決め手になりました。現在は、「保険証券」「控除証明書」といった、お客さまがお手続きで必要となる重要書類、そして、保障内容を定期点検いただくための「Sony Life Letter」に採用しています。(写真:渭原)

Q:Uni-Voice(ユニボイス)は封筒への工夫ですよね。どのような内容を音声で確認できるのでしょうか。

A:(渭原)Uni-Voice(ユニボイス)でお知らせするのは、「ソニー生命から届いた大切な書類であること」です。

Q:どうして封筒にそのようなご案内をしているのでしょうか。

A:(渭原)この業務に携わるようになって調べていくうちに、視覚に障がいがある方の中には、書類や通知物などをご家族やヘルパーの方に読み上げていただいて内容を把握される方が多くいらっしゃるということを知りました。たくさん届く郵便物の中から「大切な書類」を仕分けておくことができれば、誤って捨ててしまわずに確実に受け取って内容を把握していただけると考え、封筒上の音声コードが提供する情報は、「この封書が大切な書類である」と判別できることを重視して対応しました。

音声コードの印字位置を手探りで見つけるために重要な「切り欠き」


Q: Uni-Voice(ユニボイス)導入の際には、音声コードの印字以外に他に行った工夫はありますか。

A:(渭原)はい、実はUni-Voice(ユニボイス)では、音声コードの印字に加え、その位置を知らせる「切り欠き」が非常に重要なんです。

Q:「切り欠き」とはなんですか?

A:(渭原)視覚に障がいがあるお客さまが手探りで音声コードの印字位置を見つけるために、封筒の一部を小さくカットする加工のことです。切り欠きの位置が数ミリでもずれてしまうと、アプリでの音声読み上げができません。導入当初は何度も位置を確認しながら慎重に対応しました。

切り抜き写真 音声コードUni-Voice(ユニボイス)とその位置を知らせるための切り欠き

Q:Uni-Voice(ユニボイス)による音声読み上げは、どなたでも利用できるものだそうですね。

A:(渭原)はい。先ほど紹介した3つの通知物は、すべてのお客さまに届く封筒に加工を施してありますので、封筒の字が読みにくく感じる高齢の方や、視力がだんだん落ちてきている方などにも役立てていただけるのではないかと思います。導入時、実際に読み上げられた時は感動したのを覚えています。皆さんもぜひ一度、体験いただければと思います。

「点字」はご希望の方のみに準備、封筒にシールを貼付して郵送


Q:「点字」対応もされていると伺いました。

A:(渭原)「点字」については、調べるうちに、視覚に障がいがある方すべてが点字の教育を受けているとは限らないということがわかったこともあり、必要とされている方のみへのご提供としました。点字をご希望の方への封筒には、書類発行の担当部署で「点字シール」を貼り付けて郵送する、という方法を取っています。実は導入にあたり、さまざまな相談をしていた視覚に障がいがある同僚が「私が最初の希望者になりましょうか?」と申し出てくれました。実際にシールを貼り、同僚の自宅へ郵送をしたところ、後日「きちんと届いたよ、点字シールも読めたよ」という連絡があり、無事に導入できたことを実感し、とても嬉しかったです。

点字シール
点字シール。書類発行担当部署で貼り付けて郵送

ご契約者の年齢層によって文字の大きさや内容を変える工夫


Q 「Sony Life Letter」では、音声コードや点字などとともに、封筒に書かれる文字や内容にも工夫をしているそうですね。

A (渡邉)はい。「Sony Life Letter」は毎年、ご契約者のお誕生日の3ヶ月前に到着するように郵送しています。なぜ3ヶ月前か、というと、お誕生日を過ぎて1歳年齢が上がると、毎月の保険料が上がるからです。ライフプランや必要な保障に変更はないかを確認いただくため、Uni-Voice(ユニボイス)と切り欠きはもちろん、封筒に書かれる文字の大きさや配置なども、封書をお受け取りになるご契約者の年齢層に合わせて変更しています。たとえば若い方には、Sony Life Letterという文字をスタイリッシュに目立つデザインにしていますが、高齢の方には、「保障内容のお知らせ」「年に一度お送りする大切なご案内です」の文字を大きく、読みやすくするようにしています。また、赤字で強調する場合は下線も引くようにし、赤の色を認識されにくい方にも強調されていることがわかるような工夫をしています。

保障内容のお知らせの写真
左が、「保障内容のお知らせ」をあて先の下に大きくわかりやすく置いたバージョン。
赤字にした「年に一度お送りする大切なご案内」には下線も引いている。

3年に一度は「特別版」として大きな封書でお送りし、保障内容見直しのきっかけに


渡邉氏顔写真
 
Q 「大切なお知らせ」であることをすぐにわかっていただくための工夫ですね。

A (渡邉)はい。そして、保障内容とともに提供する情報についても、年代ごとに興味を持っていただけそうな内容を心がけています。たとえば若い方であれば、資産運用や「人生100年時代」を考えるために役立つ情報を、高齢の方には健康寿命や生前贈与に関する情報などです。
また、3年に一度は例年よりさらに内容を充実させた「特別版」として、大きな封書でお送りするようにしています。これは、3年経てば、進学や就職などご家族に変化が起き、必要な保障が変わっている可能性があるためです。Sony Life Letterの内容は、「お客さまWEBサービス」に登録いただくことで、WEB上でも同じ内容をご確認いただけますが、封書で届くお知らせについては、ご家族皆さんで見ていただき、これからのライフプランや保障の見直しを話し合うきっかけにしていただきたい、という思いを込めています。(写真:渡邉)

特別版の写真
左が3年に一度、大きな封書で郵送する特別版

Q アクセシビリティへの取り組みは、ソニーフィナンシャルグループのビジョンにある「人に寄り添う力」を具現化する取り組みと言えるでしょうか。

A (渭原)そうであればうれしいです。この業務を通じて、「人への寄り添い」を実現するには、実際にサービスを使われる方にお話を聞き、自分の先入観や固定概念を取り払うことが重要だと感じました。視覚に障がいがある方にとって郵便物はまずは「仕分け」が大事であること、点字は視覚に障がいがあるすべての方に役立つわけではないことなどは、話を伺って初めて気づかされたことでした。

(渡邉)より多くのお客さまに、見やすい、わかりやすいと思っていただける通知やサービス提供を心がけています。「大きな封書が届くと、ああもう3年経ったのか、と保障を見直すきっかけにしています」というコメントをいただいた時は、私たちの気持ちが通じた気がしてとてもうれしく思いました。また、作り手の思いが強すぎると、どうしても情報を詰めこみがちになりますが、ご覧いただくお客さまの立場になって内容を厳選し、シンプルですっきりとした紙面づくりを心がけています。今後も業務を通じて、「人に寄り添う力」を高めていけたらと思います。

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