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ご入居者の「これまで」を大切にする
ソナーレらしい介護とは

2020年07月03日

介護

ソニーフィナンシャルグループで介護事業を営むソニー・ライフケア。"Life Focus"を事業コンセプトに掲げ、ご利用者がいつまでも、安心してご自身に合った生活を送っていただけるような介護をめざしています。

ソニー・ライフケアの子会社として介護付有料老人ホーム「ソナーレ」シリーズを運営するライフケアデザインでは、ご入居者の「これまで」を大切にしながら、日々の介護でいかに"Life Focus"を実現するかに力を尽くしています。開設5年目を迎えた「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」(東京都世田谷区)での取り組みを紹介します。

ソナーレ祖師ヶ谷大蔵の外観


(左)ライフケアデザイン株式会社 事業部長 田口 勝
(右)ソナーレ祖師ヶ谷大蔵 ホーム長(※) 海老原 信吾
 ※肩書はインタビュー当時。現在は事業部エリアマネージャーとして「ソナーレ」全体における"Life Focus"の実現に取り組んでいる。

ご入居者が望まれる生活に足りないものは何か


 
Q 「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」では、"Life Focus"の実現に向けてスタッフ一同で取り組んでいると聞きました。

A (田口)「ソナーレ」シリーズ初のホームとして開設後この4年近くの間、"Life Focus"を実現するための手段を探り続けてきました。ご入居者へ提供するサービス、スタッフの教育など、試行錯誤を繰り返しながら自分たちなりの"Life Focus"を追求してきました。

A(海老原)実は私も含め、"Life Focus"の実現をぜひ自分たちの手で形にしたい、と集まってきたスタッフが多いのです。ご入居者は今までどんな生活を送られてきたのか、望まれる生活に足りないものは何か、そして、それを補うために自分たちは何ができるのか。スタッフ主体で知恵を絞っています。

ケアマネジャーとともにご入居者の生活を支える「ライフマネージャー」

Q ソナーレでは、ケアマネジャーと「ライフマネージャー」がタッグを組んでご入居者の生活を支えています。「ライフマネージャー」はソナーレならではの役割ですよね?

A(田口)はい。ケアマネジャーがつくるケアプランは、介護の観点が中心となりますが、ここに生活の視点を入れていくのが「ライフマネージャー」です。ご入居者がこれからの人生を歩まれる上で、何を大事にされたいかを考え抜いて「ライフプラン」をつくっています。

フルオーダーのスーツを仕立てに、百貨店までの外出

Q ご入居者の"Life Focus"の実現に取り組んだ実例を教えてください。

A (海老原)かつては企業のマネジメントとして活躍されていたご入居者のケースがあります。当初ご夫婦で入居されたのですが、奥さまを看取られたあと、お部屋からなかなか出てこられなくなり、その後入居者を担当するスタッフがお気持ちなどを少しずつうかがったところ、今は体調の問題もあって外出が難しいから、昔のように自分に合うスーツを仕立てに行くというのは無理だろうな、というお話が出てきたのです。担当のスタッフは、ご入居者の願いを何とか実現することができないか、多職種が連携するチーム内で慎重に検討しました。そしてそれが可能であるとの結論から「ぜひ、また仕立てに行かれませんか?」というご提案をしたら、表情がぱあっと明るくなられたのです。馴染みの売り場へ行き、採寸をしてもらい、こだわりの生地を選ばれました。数週間後、百貨店からスーツが届き、着替えられた様子に、ビジネス界で活躍されていた当時を垣間見た思いがしました。
 
男性がスーツを選んでいる様子

A(田口)こうした時に改めて認識するのは、ご入居者の皆さんすべてが人生の大先輩である、ということです。ご入居者が、生地やボタンの選び方、スーツに合うYシャツやネクタイを即決していく様子に、付き添ったスタッフは素直に「カッコいいなあ」と思ったそうです。若いスタッフがフルオーダーでスーツを仕立てることはまずないですからね。

A(海老原)仕立てたスーツで、かつての知人の方とのお食事会に参加されてからは、ホームでのレクリエーションにも頻繁に参加されるようにもなりました。奥さまを看取られたことでご自身の使命を全うされた、あとはお部屋の中で本を読みながら、じっとその「時」を待っておられるように感じることもあったのですが、今回のことを通じて、ご自身の生活を取り戻されたことは、スタッフにとっても非常にうれしいことでした。
 
男性が仕立てたスーツを着ている様子
 

大好きなネイルをするための毎月の外出

Q 女性のご入居者がネイルを楽しまれているという話も聞きました。

A (海老原)はい。その方は、ホームに入居されたことに加え、通われていたサロンが閉店してしまい、大好きなネイルから遠ざかっていました。そこでスタッフが、ホームからほど近く、歓迎してくださるネイルサロンを探し、「ネイルをしに行きませんか」と提案したら「ぜひ行きたい」と。梅雨だから紫陽花、夏になれば花火、とご希望のデザインを先にうかがって、事前にスタッフがネイリストと打ち合わせし、スタッフ付き添いのもとで、今では毎月恒例の外出となっています。

女性がネイルへ出かける様子


 
A(田口)こうしたことを通じて、スタッフの、ご入居者への敬意や尊敬が深くなるのを感じますね。この方の担当スタッフも、「自分が同じくらいの年になった時に、同じようにおしゃれ心を持ち続けていたい」と思うようになったそうです。




大好物のトンカツを召し上がっていただくために --
最期の時までその方らしく

Q 老人ホームである以上、「看取り」がどうあるべきかも大きなテーマの一つですね。

A (田口)そうですね。最期の時までその方らしく過ごしていただけるように、という思いで日々取り組んでいます。


 
A(海老原)ご主人が奥さまの10歳上というご夫婦が入居されたのですが、ご主人は何よりも食べることが好きな方でした。しかしながらご入居後、ご主人が食べ物をうまく飲み込めなくなる重度嚥下障害(じゅうどえんげしょうがい)の診断を受け、ミキサーでペースト状に加工した食事しか食べられなくなってしまったのですが、奥さまは、ご主人の人生の残り時間が少ないからこそ、形のあるものを食べさせてあげたい、と強く希望されたのです。

ご主人は以前、奥さまお手製のトンカツが大好物だったとのこと。スタッフは、どうすればトンカツを召し上がっていただけるかを、主治歯科医の先生に相談しました。先生には非常に親身に対応いただき、調理の監修のみならず、万が一の時に吸引ができるようにと夕食時に直接立ち会ってくださったのです。普段より柔らかく仕上げたトンカツをお部屋にお持ちした時、それは喜ばれて。するとその翌週は「マグロが食べたい」というご希望があり、筋を取ったマグロを、また同じように歯科医の先生立ち合いの下で召し上がっていただきました。その翌週にご主人はお亡くなりになったのですが、看取られた奥さまも、最期まで食べたいものを食べさせてあげられたと大変喜んでくださいました。今回のことのように、私たちホームの人間だけでなく、普段ご協力いただいている外部の医療機関の皆さまにも、私たちの"Life Focus"に共感いただき、ご入居者のご希望を叶えるためにチームで取り組む体制が整ってきたことを実感しています。

Q 最後に、"Life Focus"実現に向けたこだわりや思いを教えてください。


 
A (海老原)たとえば、「昔よく行ったあの場所に行きたい」というご希望があっても、付き添うスタッフがいない、移動するための「足」がない、と、夢が夢のままで終わってしまいがちなところを、何とか実現しようとスタッフ自らが心を砕く。「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」では、ご入居者が喜ばれる姿を見てスタッフも喜び、それが働くモチベーションになって次の行動につながる、という実例がいくつも実現しています。今後もこうした「組織」であり続けられるよう、全力を尽くしていきたいと思っています。

 
A(田口)実は老人ホームにとって、仕事に対するスタッフの満足度は、質の高い介護を実現するために非常に大事なポイントです。ご入居者の夢や希望を簡単に諦めない、その実現に向けて全力を注ぐことでスタッフ自身の仕事へのやりがいも高まる。ソナーレはそんなホームであり続けたいと思います。
※インタビューは2020年3月以前に行われたものです。新型コロナウイルス感染予防については、運営ホームのご入居者および従業員の安全を確保する観点から、必要な対策を継続していきます。
https://www.lifecaredesign.co.jp/pdf/LD_release20200618.pdf


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